第1.2話
青いビニールシートの上に皆でかたまって座る。
「また揺れてるね」
そんな会話がちらほら聞こえてくる。
「佐奈。怖いよ。何というか皆がいなくなっちゃいそうで怖い」
などと未来はブツブツ呟いている
美雨はというと、その辺に転がっている大きめな石をお手玉のように弄んでいた。
幸羽は、遠くを見つめていた。
私は、何をするべきか悩んでいる。
ぼーっと時間だけが過ぎていく。それは授業中、窓からほかのクラスが運動場で体育の授業をしているところを見下ろすようにただ淡々と時は過ぎ去っていく。
雨が降ってきた。
今となっては死の雨だ。
雨は私たちの体を濡らし、体力だけを奪い去っていく。
私たちは、敷いていたブルーシートの下にもぐり、雨をしのぐ。
冷たい地面に腰を掛け、四人かたまって体温を共由する。
皆で温まっていると、心なしか眠たくなってくる。
睡魔は私を襲った。
悩んでいる事をほかり、意識だけを朦朧とさせていた。
時間は午後三時ぐらいだろうか。
皆、暇を弄ばせてただ単に悲しみや絶望に染まるだけであった。
ある者は泣き崩れ、ある者は、俯いたままピクリとも体を動かさなかった。
そんな状況に晒されている。
当然、負の感情は伝線する。
私の体もどんよりと重たくなり。身動きが取れなくなった。
もう、どうにでもなれ。とさえ思った。
果たしでそれで良いのだろうか?
意識はそう問う。
もう一人の自分が、問う。
良くはないでも仕方ない。
そう答える。
貴女は何故生きる?
面白い質問だろう?
この世のモノはいずれ壊れる。なのに人間はそれを怖がって、死を怖がって、遠ざけようとする。本当に楽になれる方法は、一つだけあることは汝もわかるだろう? ならなぜ実行しない。「ポケットに入っているカッターナイフで切ればいいものを」だろ? あはは。だから人間って面白い。
自分はそう言う。
しかし、それは自分ではなかった。私の内に秘めている、特定の感情だった。
だが、今となっちゃどうでもいい。今、生きればそれでいい。
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