第2話

校庭の桜並木の桜の花びら達が、風に吹かれて舞い落ちる姿は、まるで、僕たちの登校を、待ちわびていたかのような、出迎えてくれるような、なんとも言えない、ただただ皆がその光景に目を奪われていた。

『ぽんっ』後ろから誰かに肩を叩かれた。

俺は誰か予想できた。振り返って見る。

「よっ、祐希。元気にしてたか?」

やはり、三嶋拓斗だ。去年、同じクラスで、

入学した時、前の席だった。蒼は他のクラスで入学時、知り合いもいない自分に、初めて話しかけてきた。それ以来よく話すようになり、いつの間にか、大切な友達になっていた。まあ誰か予想できたのは、他に友達がいないからだ。

「久しぶり、拓斗。お前こそ元気だったのか?」

「春休みはずっと部活だったからな。絶好調だよ。」

そういえば言い忘れていたが、彼はサッカー部に所属している。そして1年からレギュラーとして使われるほどの運動能力だ。

ファンも少なからず居るのだろう。

「祐くん、今年は同じクラスがいい!」

俺の横でずっと目を輝かせる。

「それは俺が決めることじゃない。」

そんな会話を見て拓斗は笑う。

「蒼ちゃんも元気そうだな!」

そして校庭を歩き続け、下駄箱前に張り出されているクラス表の前に立った。

あちらこちらで喜びや悲しみの会話が聞こえる。

自分のクラスを探して居ると、三嶋拓斗の名前が見えた、その次に自分の名前が書かれている事も。

蒼が突然、大声で叫んだ。何かと思えば、

「やったー!同じクラスだよ!これから1年間よろしくね!」俺の名前の下には山田蒼、

そう書かれていた。しかし俺も蒼も、もっと大事な事を見落としていた。

3人で教室に向かうとそこには確実に他のクラスの生徒も居るのだろうと分かるほどに人が集っていた。

その理由は、このクラス2年B組には、学園一の美少女、有栖川瑞穂がいたからだった。


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