7章 やっぱり機能性って大事って話


服飾品 売り場


女性「少年向けに

少し大きめのものも・・・」

生き残った服の中から

少年の成長を想像しつつ服を探す


少年「おねぇちゃん!!見てみて!!」

女性「ん〜?」

少年「じゃじゃーん♪」

少年がお披露目した

その服は、足元から頭まで

すっぽりと収まる

クマのデザインの

着ぐるみタイプのパジャマだった


女性「おー、似合うよ!!

それに全面布に覆われてるから

寒い時とか虫対策もバッチリ、

よし、それも入れちゃえ♪」


少年「入れちゃえ~♪」

そう言って畳んだ

ソレをカバンに詰める


女性

「少年の為の服や下着を

幾つか確保したし・・・

はぁ・・・私も遂に履く時が来たのかなぁ・・・」


そう言って女性向け下着売場を目に据える女


少年「おねぇちゃん、入らないの?」

お店と女を交互に見る


女性「うーん、いま悩んでる所」

履かない楽さを考えると・・・と

心の中の天秤が ユラユラと揺れる


少年「風邪ひいちゃうよ?」

寝言でも言っていた

少年の一言で 天秤が完全に傾く


少年をじっと見つめる女

女性(私が風邪引いたら

この子が1人になっちゃうもんね・・・

仕方ないかな・・・)

「決めた、入ろっか」


少年「うん!!」

覚悟を決めたが

まだ少しだけ足取りの重い女の

すぐ後ろを着いて行く少年


女性「少年」

少年「なーに?」

呼ばれて振り返る少年


女性「これどうかな?」

そう言って

見繕った 下着を身に付け

少年へと確認する女


少年「んー?よく分かんない」

首を傾げる少年


女性「うーむ、流石に子供に

下着の感想を求めるのは早かったか」

顎に手を当て 唸る


女性「まっ、肌触りも そこそこ良いし

動きの邪魔にもあまりならないし

これで良いかな~

久しぶりに履いたせいで なんか

落ち着かない様な

不思議な感覚するけど」


そう言うと

身に付けているものと

同サイズの下着を見つけ

乱雑に カバンへと放り込む

上下の色は揃ってないが

気にはしていられない


少年「おねぇちゃん もういいの?」

下着売場に飽きて

マネキンで遊んでいた少年


女性「うん、もう大丈夫だよ、

沢山入れちゃったから

帰りは

来た時より 多く休みながら帰ろうね」

そう言って背負うカバンは

一人の時よりも重かった

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荒廃都市 @kamochan0989

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