5章 指切りげんまん

いい匂いがして

目が覚める

少年「う〜ん・・・お母さん?」

寝ぼけながら目を擦る


女性「おはよう少年」

笑顔で迎え

敢えて聞かなかったことにした


少年「あっ、お姉さん おはよう」

少年も女の笑顔に釣られ

間違えて呼んだことに気づかなかった


女性「しっかり寝れた?」

少年の顔を見つめ

体調を確認する


少年「うん!!」

元気良く返事をする


女性

「そっか、良かったー、

それじゃあ今日は街に行って

少年の服を探しに行こうか」


少年「はーい」

手を上げ返事をする少年


女性「お日様みたいに元気だね♪」

そう言う女も

お日様のような笑顔になっていた


女性「それじゃあ朝ご飯食べようか」


少年「ごはん!!」

目を光らせ

お腹をグーっと鳴らす


「アハハ、素直だなあ(笑)」

そう言って自分もお腹を鳴らした


少年「いっしょだね」

少年は えへへと笑い

女性「だねー、それじゃあ食べよっか」

女は照れ笑いをする


女性・少年

「「いただきます」」


昨日の残りを二人で食べる


女性・少年

「「ごちそうさまでした」」


女性

「それじゃあお皿洗ったら行こうね」

少年「僕もやる!!」

後ろをすぐに着いてくる


女性

「えらいねー

それじゃあ一緒に行こうか♪

小さいお皿持ってきてくれるかな」

少年「はーい♪」


2人で

昨日のドラム缶風呂の場所へと

向かった


水につけながら

必死にお皿を洗う少年


少年「よいしょ、

お姉さん おさら綺麗になった?」

確認してとばかり見せてくる


女性

「よし、綺麗になってるね

手伝ってくれてありがとうね」

頭を撫でる


少年「僕これ好き!!」

頭を撫でる 手を触る


女性「そっかそっか♪

それじゃあ両手でやってあげる♪」

イタズラに笑う


少年「わぁぁ~♪ボサボサ~♪」

水辺でキャッキャと笑う二人


ひとしきり遊んだ後


女性「あ〜楽しかった♪

そろそろ服 探しに行く?」


少年「いくー」


女性「よしよし、それじゃあ

お皿戻しに行くついでに鞄持って行こうか」

お皿を自分の元へと集める


少年「僕もお皿持つよー」

そう言って

何枚かのお皿を自分の前に置く


女性

「少年のそう言う優しい所

お姉ちゃん大好きだな〜」


少年「おねぇちゃん?」

首を傾げながら 繰り返す


女性(ドキュンと来たー)

「リピートアフターミー

・・・じゃなくて、

もう1回言ってみて欲しいな~なんて」

チラリと少年を見る


少年「おねぇちゃん? おねぇ〜ちゃん!!」

満面の笑みで呼んでくれた


女性(何度でも言いますとも

守りたいこの笑顔!!)


女性「ありがと~♪

それじゃあお家に向けてしゅっぱーつ」

少年「しゅっぱーつ」

2人で元気良く 帰っていった



家にて



女性「よーし、カバン持ったね」

少年「僕も もったー」


女のリュックサックとは違い

小さい肩掛けカバンだったが

ちょっとした

携帯食料を入れるにはピッタリなので

必要な物だった


女性「うん、遠足に行くみたいで 可愛い」


ウンウンと頷き、

可愛さを目に焼きつける


女性「それじゃあ、そろそろ行くけど

昨日みたいに無理はダメだよ?

ちゃんと疲れたら疲れたって言ってね

おやくそく だよ?」

少年と指切りげんまんをする


少年「はーい、疲れたら

ちゃんとおねぇちゃんに言います!!」

しっかりと指切りげんまんをする少年


女性「偉い!!」

すっかり恒例となった頭撫でをして


女性・少年「「しゅっぱーつ」」


とうとう出発したのだった

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