第十話 連合弛緩のアイツ
それは武藤浩市が起床する一時間程前の出来事だった。
—Side 烏丸
馬鹿みたいにヘトヘトになった俺は、もう数年は使い古されたであろう古毛布と古毛布の間に挟まりこみ、そのまま泥の様に眠った。
眠りに落ちるまで数秒もかからない程で、まるで野比のび太の様に瞬間的に、俺は寝息を出す。
夢なんて、入り込む余地のないほどの深い眠り。
その筈だった。
「あれッ」
俺は際限のない白い空間にいた。
上下左右何もかも境目のない完全な“白”に、俺は何故か宙に浮いている様な錯覚を感じるのだ。
要するに壁も床のない様なだだっ広い空間に、ポツンとおかれていたのだ。
バラエティ番組の真っ白なセットとは比べ物にならない、完全で完成された空間。
その視界に遍く“白”の中に、たった一人黒い服を着た男がいた。
黒髪に黒服。だがその肌は不自然なほど白く、輪郭も曖昧で目や口が不自然に浮いている様な顔をしている。
目測で300m程の距離に、男はただ一人、何も言わず佇んでいた。
それだけ遠くにいるのに、俺は彼にまるで至近距離でメンチを切られている様な威圧感を感じていた。だが彼はただ無表情で立っているだけ。
間違いない。転移の時に見たあの男だ。
こちらを認識した彼は人差し指をあげ、何かを始めようとする動きを見せた。
何をしようとしているか何も分からなかったが、直感的にその行動を止めなければならないと感じる。
そして彼が口を動かしたその瞬間——————
陶酔状態の君の甚誅のハイは、ランナーにおける栄光の指名であり。状況が赦されるならそうしますか?
それは鮮憫の龍火だと思われるが。私にとっては火急の確かは存在しないです。
ですから、理解していました。
適合に失敗したのです, あなたは
何処かしらシー・オブ・ユーとしたアイ・ヘイト・ユーとして、
臨終の 怒号が君の眼球に?憂鬱と供給し君は明日にでも。
“2022年7月16日”に、何ならどこの行っ、それじゃ死だ。
でももうもはや間に合わないと思います。あなたはなぜ連合できていない?
違うけど、きっと似た様なものだと確信できていまず。
助け舟はあなたを
僕の感情はだけれども。忠実に分かっていらっしゃるんでしょうね。ならば、
泣き止め、泣止め、泣き聴いて泣け止め、泣き止め、泣き止め、泣き止め、泣き止め、泣き止め…………
「…ッ!!!!?!!!?!???!?!」
知らない思考が脳内に走り抜けた。脈絡がなく、意味不明なその思考を、
俺は考えさせられている。
「……えっ?! や、うあめやめろッ! うぁぁぁぁぁっ!」
絶望的な程に襲い、感じる不快感。 自分が自分ですらなくなってしまう異常な程の喪失感と、大きすぎる恐怖。
思考を侵される地獄の様な感覚。
繋がりたければ、私を見るな
「ウゥァアァァアアアァァァァァアアァアアァァアアアアアッ!!!!」
その最後の一言と同時に俺は目覚める。時刻は夜明け前。衣類は信じられないほど汗で濡れていた。
「はあ……はァッ…何なんだよ……………」
———
身体中に違和感と倦怠感を感じながら俺は、昨日テーブルを囲んだ居間であろう場所に向かう。
蛇口を回して出てきた水を、強引に食道に流し込む。
強引に流し込んだせいか口角から水が零れ落ち衣類に掛かった。
だがどうせ汗で濡れているのだから関係ないとばかりに、
俺はひたすらこの夢かどうかすらわからない「何か」で失われた汗の水分を夢中で取り込んだ。
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