第4話
「ごめん、先生に呼ばれちゃったんだけど、1人で帰れる?」
「もう問題も解決したし、大丈夫だよ、それじゃあ明日ね。」
「ごめんね、また明日!」
私は1人で通学路を歩き始めた。
万理華と先輩と帰っていた日々から1人になると、少し寂しさを感じる。
早く帰ろう。何だか嫌な感じがする。その嫌な感じというのは…今まで感じていた視線。今日、先輩が捕まえてくれたはずだ。確かに謝罪を受けた。
それなのに、なんで、今も視線を感じているの?
問題が解決したことで疲れがどっと出てきたのだろう。それで少し過剰になっているだけ。そう言い聞かせて歩くけどずっと視線は無くならない。
そうだ、先輩に連絡しよう。そうすれば少しは安心出来るかもしれない。そう思い先輩に連絡する。
ピロン♪
…え?
後ろからスマホの通知音が聞こえた。いや、偶然だ。後ろにいるのが先輩だなんてそんなのありえない。もしいるなら声をかけるはずだ。そんなストーカーのようなことする訳…
あれ、そういえば私、初めて先輩と帰った日に家の場所、教えたっけ?
『家、ここ?』
初めて帰った日、確かに先輩はそう言った。いや、でも表札を見れば家の予想なんてつく。あんなに協力してくれた先輩を疑うなんて。
怖い。疑いたくなんてないし、ありえない。でも、でも…
…振り返ってみる?家までなにかあれば走って行ける距離。それに、今日問題は解決した。視線も何も全部私の勘違いに決まってる。
通学路、振り返るとそこには…
先輩が、いた。
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