第4話 彼女がいる場所

 彼女は今、ミルクティー色の壁をした部屋の中にいる。そして、モニターを通して、観客である僕達に向かって話しかけている。

 画面の向こうの彼女の背後には、赤紫色のアンティークっぽいソファと、茶色の猫足のテーブルが見えて、その横の背の低いコンソールには、彼女の趣味らしい、いくつかの絵画と、いくつかの花瓶が置いてある。どうやらその空間は彼女の好きな物だけで作られているようだ。

 彼女はここが職場だと言う。おそらく、彼女は書くのに疲れたらあのソファに座ってコーヒーでも飲んでぼーっとするのだろう。あるいは横になって眠るのかもしれない。

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