第2話少女は僕を笑う

「で、君はなんなんですか?」

「秘密。」

「教えてくれないと・・・・」

「教えてくれないと、なに?」

「お、教えてくれないと・・・」

余裕の笑みを浮かべ、ぱっちりとした目を向けてきた。

「・・・怒るよ?」

苦し紛れにいった言葉に、彼女———フユカさんは腹を抱えて笑い出した。


そのとき、玄関が開いた。お母さんがパートから帰ってきたようだ。

「ちょっと、静かにして・・・」

小声で注意しても、フユカさんはひたすら笑っている。

しょうがない・・・。

僕は決心をして、部屋を出た。

「お母さん、今日の夜ご飯、なぁーにぃー?」

「ちょっと、うるさいわよ。近所迷惑になっちゃうじゃない」

「うんわかったぁぁぁぁぁぁ!」

注意がもう、効かないと判断したお母さんは、ため息をついて台所に向かった。

僕は部屋に戻ると、いつのまにかフユカさんは静かになっていた。

「夜ご飯は、どうします?」

「ため口でいい。同年齢だし。あと夜ご飯はいらない。」

「・・・?」

「ま、いろいろあるからね。」


台所から声が聞こえた。

「ちょっとイブキー?何独り言ってるのー?頭がついに壊れたんじゃないかって思うじゃない。」

後半は余計だと思う。

・・・あれ?

フユカさんの声は張りがあり、よく通る声である。

ぼくも、結構声は出るけど、普段の声は小さい

何せ陰キャだから。(・・・おい、誰か反論してよ)

それなのに、彼女の声が聞こえず、僕の声が聞こえるってことは・・・。

聞こえるってことは・・・。

フユカさんの声はモスキート音?

呆れた顔をして、フユカさんはこっちを見た。

「ふつうは、幽霊とかお化けとかって考えるんじゃない・・・?」

む?思考がなぜわかった?

「昔から一緒にいれば、それくらいわかる。」

なぜわかった?!

・・・というより、昔から一緒にいる、ってどういうこと?

「べ、べつにいいじゃない。私は幽霊なの。」

「のおおおおおおおおおおおおおおおおお」

イブキ、うるさい黙れ、とお母さんだけではなくフユカさんにまで言われたのは余談だ。


おまけ・イブキを心配する母


やっぱりあの子、心に闇を抱えているんじゃないかしら・・・。

心配になってきたわ・・・。

今度精神科に連れて行かなければいけないわよね。

じゃあ、旦那のビール代と、イブキのお菓子代を削りましょう。


※二人のプロフィール


林野伊吹 

身長 157㎝

体重 45㎏

趣味 寝ること リコーダー

座右の銘 百里を行く者は九十里を半ばとす

来年の抱負 来年中に彼女を作る(泣)

好きな人(幽霊も含む) いない

年齢 13歳


羽村冬香

身長 154cm

体重 ・・・聞きたい?

趣味 いぶきのにおいをかぐことぉ~・・・

   ・・・ではなくて、読書です。

座右の銘 難しいのは愛する技術ではなく、愛される技術である。

来年の抱負 来年までに、とある人の彼女になる

好きな人 秘密

年齢 13歳


作者「ちょっと伊吹、「好きな人(幽霊も含む)」の欄をやり直そうか。

   ちょっとこっちにこい」

伊吹「やだあ。」

冬香「(泣)」

作者「おい、伊吹、なに泣かせとんのじゃあああああああああ」

伊吹「ひいいいいいいいいいいいいい」


と、どたばた騒動が起きたのは秘密です。

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