学祭前のトラブル 一九
それところか紅天は気を触ったかととても焦っていた。
やはり、普通の女子とは少し感覚がズレているに思えた耀。
女を否定はしてないが肯定はしないこの抽象性を特化した言葉。
女子である大体を占める割合でこの言葉を言われたらムスッと来て怒ったり不貞腐れる。
だが、彼女はそれに心を傷めたり苦笑い、愛想笑いなどをせずむしろ耀のことを心配したのだった。
(面白半分だとは言え予想外すぎるな。他の女子とは色々ズレまくってるや―)
この焦った表情はそれはそれで面白いと放っておく耀だったのだ。
「野菜乱切りしといた。次は?」
「あ、はい!ええっとですね、じゃあお鍋に入れて焼いてください!」
「了解」
「帰ってくるの遅い」
夜中一時を回る時間に帰ってきた千鶴にキレ気味で言う琥珀に相も変わらずニコニコして謝罪と言い分を述べた。
「ごめんごめ〜ん。だけどさ俺一応、紅天ちゃんにメールしたんだよ〜?」
「…グループにラインでもしといたらどうなの。千鶴の帰りを待ってたわけ」
舌打ちする琥珀とそう言い放つ耀に千鶴は少しムカッときた。
「なーんで俺そんなに責められるわけ?ていうかそんなに大切な話あるなら連絡すればいいじゃん」
「三人とも少しは落ち着けよ」
深いため息をつく優鶴に更に
「その大切な話っていうのも…紅天ちゃんのことなんだ」
「…紅天ちゃんに聞かれちゃいけない話なんだろう?彼女は寝ているのかい?」
「うん。紅天ちゃんは電気消えてたから大丈夫だよ」
六人は居間に集まり話始めた。
話していなかった空颯と千鶴には詳しく説明を交えながら耀が取っていた録音データーを流した。
「……この男、いやまさかな…」
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