学祭前のトラブル 六
「何度計算したって同じだろ」
「引けるところないか調整してるんだ。馬鹿は黙ってくれるかな」
「だからぁ、いくら予算を見直したところで引けるわずかなのでお土産のお菓子作れないっつってんの」
「なになに〜?ああ、池高祭の予算のことかぁ!」
空颯と琥珀がまたもややり合っていると、ジョウと優鶴は計算を覗いた。
「うちのクラスって何やるんだっけ?」
「あれだよ〜、んーと和風喫茶?」
「そういえば空颯、喫茶店っていくつあるか知ってる?」
これもまたや珍しく、池高祭に興味なさそうな顔をしていた耀がきいたのだった。
「ああ、確かうちを入れて喫茶店系飲食店は三つらしいよ?他のクラスは食べ物以外らしいけど」
「あと一クラスの喫茶店はどんな感じなんだろうか」
「メイド喫茶かなぁ?ていうかコスプレ喫茶って微妙に枠的に俺らに被るわけじゃん、ねえ」
そう。コスプレ喫茶、それは縛りをつけなければ幅広い枠だった。
昔の時代を感じる和装、警察、ナース、医者、アイドル、メイド、巫女なんでもありなのであった。
「確かに。コスプレって言っても俺らもコスプレの中での和服和装だしね。服装によっては被るよね」
優鶴の言葉にずっしりときた空颯だった。
「…一応そこも考えとくよ」
まとまらないし自分で予算を計算すると言った。
計算して引けるところは少しでも引いてとしてみたが、琥珀の言った通りお土産販売できるお菓子を作れる分まで金額的に不可能だった。
だが紅天のためにもなんとかしてあげたいし、お土産お菓子が作れたらおそらく売行きは上々だろう。
そして、コスプレ喫茶という曖昧な縛りのない線。それもどうにかしなきゃいけないという状況だった。
「学級委員長なんて引き受けなければ良かった…」
今更ながら空颯は後悔をした。ほいほい女子たちに推されやりたくないとは言えなく成り行きで仕方なくなったがやはり間違えだった。後悔しても仕方ないとはわかっていても学級委員長の責任は少しばかし重い。
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