見えない境界線
解りたい 一
家に住むと決まり、
少ない荷物の中、紅天のために
「あの、すいませんっ…、このくらいなら自分で持てます!」
「俺が来た意味なくなるから持たせて」
そう言い私が持っていたキャリーケースを引いた。
無意識の中で優しくしているのかわからないのですが、優鶴さんはとても優しい方です。
「…あんま気にするなよ」
「へ?」
何を話したらいいのだろう、話題は何をしたら普通に続くか。そんなことを考えていて相手の心情声を読んでいなかった。昔から考え事をすると周りが見えなくなり聞こえなくなる性格でもあった。
「す、すいませんっえっと……」
「…いちいち俺に謝るな」
「はいっすいません!あ…」
ゴンッといい音がなりそれをみた、思わず優鶴は笑っていた。
あ…とまた謝ってしまったと思い優鶴の顔を見た。それも歩きながらだった。そして前を見ていなく気づかずして通りにある木にぶつかるということが起こった。
うう…、痛いし恥ずかしいし無様すぎます…。
癖でついつい成り行きで謝ってしまい、しょっちゅうドジもやる、それが紅天という人間だった。
「おま…ふっごめんっ…」
こっちはこっちで心配するのと同時に笑いが込み上げていたらしい。
笑ってくれたなら何よりです、いたた…。
良かった、と頭がじんじんと痛む中、紅天はほっとし笑を浮かべた。
「やっぱり危なっかしくて来て正解だった」
「私、そんなに危なっかしいですか?!」
「今のこれを見て危なっかしくないっていう奴どこにいるんだよ」
優鶴に言われた通りである。
「木にぶつかるし俺らの家来るときだってスマホ持っていながら道に迷ったんだろ?」
「た、確かにです…」事実であって認めざるおえなかった。
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