ここからが始まり 八
ついて来い、一緒に来いと言われたら心情声を読み相手の考えていること、思っていることを読んだうえでついて行く。
三人にどんな顔されるかは想像つく。ついたら足が段々と重くなっていく一方だった。
「…
「…?」
二人は心配そうに紅天をみた。
「あっ、すいません…!」
「この前三人に嫌な顔されたんだね」
「気にする必要なんてない。何をあいつらが思いあんたが何を感じたかなんて俺にはわからないけど」
お二人がこんなにも気遣って頂いているのに、そうですよね…!くよくよ悩んで思い返したって今は仕方がありませんよね。
紅天は考えることをやめた。
「少し考え事をしていただけなのです、大丈夫ですよ!」
へへへと笑う紅天に二人は言った。
「兄さんの心読み取ってゲス発言とか全然してるだろうけどそしたらシバいていいから」
「いや、千鶴のことめっちゃ信用してないしすごい言い草じゃん」
「あいつがゲスなことは俺が一番理解してる」
笑い優しい和んだ空気。和ませようとする二人のその気持ちがすぐに紅天に伝わった。
「お二人は温かいんですね」
二人はその笑顔にびっくりとした。
さっき見せた笑顔とは全く違い、雲行きが少し晴れたようなそんな笑顔をしていた。
「やあやあ。遥々よくここまできたね」
千鶴の家についた紅天たちは早速千鶴にきいた。
「お前が俺らに連れて来いって言ったのにその言い方はなんだ」
「まあまあまあ。ところで紅天ちゃんに伝えたいことってなに?」
「君についてこちらで勝手ながら調べさせて貰ったんだ。君、お母さんの姉弟さんと上手くいってないんだってね」
ビクッとした。それは千鶴の行動とオーラ、読めない思考だった。何を考えているのかわからない、そして謎の他の人とは違ったくすんだ紫色のような色を出すオーラ。
「千鶴、紅天ちゃんにだってプライバシーっていうのがあるんだよ!!このゲスブラックハッカー野郎が!」
紅天を庇うように抱きしめ、千鶴から身を守るように体制をとったジョウに少しびっくりした。
へ…、抱き?!
「そうだ。それにこの子を調べる理由なんかないだろ」
「酷い言われようだなぁ〜。まあ、話をきいてよ」
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