ここからが始まり 五

「料理毎日作っているの?」

「はい」

「紅天またおばあさんの家族に嫌味言われてるのか?」


母は亡くなり父は親権剥奪しんけんはくだつをされている。そのため母が亡くなったときからずっと母方の親族である母の母の妹であるおばさんに面倒をみてもらっていた。母はあまり姉弟やいとこと仲良くはなく、仲良くなるきっかけも出来事もなくして病死で天国へ行ってしまった。


母の姉弟である母の姉と弟は未婚であり実家にいる。ということはつまり二人は仲良くなかった母の娘を引き取ることに内心は反対をしていた。

もちろんそれが私の能力を知り気持ち悪く思ったからだけではなく母と父と縁を切りたかったからだろう。


人間不信に陥ってた私は一度おばさんとおじさんを睨みつけたことがありました。


「なんだよその目は」

「なによ、この際心が聴こえるならハッキリと言ってあげるわ。人の心透かてみてるなんて気持ち悪いし怖いわ」

「お前はその能力あるうえにあいつらの子供だなんて吐き気がするよ」


おじさんとおばさんは酷くキレて怒り狂うように私に言葉を投げ捨てた。


今ではもう何も感じないお二人なのです。


紅天は今更誰かに助けを求める気は毛頭なく、おばあさんにここまで育ててくれて感謝をしきれない程していた。


…私の人生はこれでいいのです。


「味に関しての指摘はよく頂きます」

「それ絶対毎日だろ」

「あれでしょう。指摘と化して文句を言うくせに自分でやらないってやつ」

「一番うぜぇやつじゃねーか」

「なんて理不尽な人たちなのかしら」

「お二人とも仕上げのデザートが完成しましたよ!」


話の話題、空気を変えるようにして彼女が笑顔で言った。それを二人は察した。


「よーしっ、まだ時間かなり余ってるな」

「今のうちに片付けれるもの、片付けちゃいましょう!」

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