一章

ここからが始まり 二

彼らと顔を合わせると紅天くれあが予想してた通りそのままの反応と心情声を見せた。


それは嫌がる顔。何を言われるのか、と言った顔だった。


(なんで家まで押し押せてくるのこの子…。目的は一体なんのつもりだ)

(おいおい家バレしてるじゃんかよ?!誰に教えて貰った??)

(そういえばこんな女いたな。面倒な女がまた一人増えた…)


「それでなんの用かな?」


嫌がり怒りを押さえ話す彼、空颯の答えに紅天は言った。


「あの…。この前のことで…」


三人はその言葉を聞いた瞬間不穏なオーラを放ちた。


「えっと違うんです!三人の秘密を改めて知ってしまった私…フェアではないのでは思いまして…!」

「あんたが何を言いたいのか全くわからないんだけど」


耀が初めて自ら紅天の前で口に発した。


「す、すいませんっ!私の秘密も明かします…!」


三人はびっくりした。自ら自分の秘密を明かすと言ったことに。


(…自ら自分の秘密を言うって本当にそれ秘密なのかよ)

(彼女の思考回路は一体どうなってるんだ)

(ふわぁ〜、意味不明なうえにどうでもいい。眠いから早く終わらないかな…)


琥珀、空颯、耀の今思っていることを紅天は当てることにした。


「栄西琥珀さんは今、…自ら自分の秘密を言うって本当にそれ秘密なのかよって思いましたよね」


「な?!」と、思わず声を出してしまうくらい琥珀はびっくりした。


「空颯さんは彼女の思考回路は一体どうなってるんだ。ですよね」

「っ…?!」

「耀さんは意味不明なうえにどうでもいい眠いから早く終わらないかな」

「…………」


紅天が三人の思ったことを言い当てたことに同じ超能力者ながら理解が追いついていなかったようだった。


「ふっ、ははははは」


突然笑い出す彼、千鶴に紅天と三人はびっくりした。


「おま、はぁ?!」

「いきなりそんな大声びっくりするだろ」

「…………」

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