第14話 帰りの車の中で美穂さんの告白
名古屋から車で帰る途中、美穂さんは2回の辛かった離婚の話を私と富雄に話してくれた。
辛い経験を、明るく話してくれた。
その時だけは、私達はほとんど笑わなかった。
そして重たいのに持ってきてくれたブルートウース内臓のスピーカーで、美穂さんが自分の好きな曲だけを流している内に静岡に到着した。
富雄が誘導し、着いた場所が静岡駅近くの駐車場だったので、富雄が会社の帰りにそのまま合流した事がわかった。
私達3人は、握手をして別れた。
楽し過ぎた一泊二日が終わる事に泣きそうになったが、笑顔で別れた。
もうこの3人で会う事は無いかもしれない。
誰か一人がよほど強い意思で他の二人を動かすか、奇跡が起こるしか、もう会う事は無い。
そんな気がした。
富雄と別れ高速道路に乗ると、美穂さんは
「おしっこ!おしっこ!次のサービスエリアで下りて!」
と私に言う。
私もそうだが50代になると、おしっこが近くなる。情けない話だ。
静岡から東京までの車内では、美穂さんとエロ話に花が咲いた。
エロ話の合間に、美穂さんが富雄に、35年の間、後ろめたさを感じていたことを知った。
あの代田橋のアパートで起きた事件の事を富雄に謝りたかったそうだ。
そして、私には自分とのセックスの話をリアルに富雄の前では言わないで欲しかったの!と滅茶苦茶私を怒った。
だが遅すぎる。
シンミリするのも嫌だったので、残りの車内では互いに美穂さんと別れた後の互いの男女関係の歴史を自慢しあった。
やはり私と別れてからの美穂さんの実話は、想像を遥かに超える程、壮絶な歴史だった。
とても文字にすることなど出来ないほどハレンチだった。。。
西東京の自宅の前まで美穂さんを送り届け、家に帰った。
私は楽しかった一泊二日の旅に感謝し、コンビニで買った缶酎ハイで一人で乾杯した。
Lineでは、「楽しかったね」「また行こうね!」の言葉が飛び交った。
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