第9話 美穂さんとの愛欲の日々
私は富雄との友情、付き合いがその日で終わるとは想像も出来ないまま、翌日から美穂さんとの半同棲が始まった。
目が覚めて富雄がいなくなった日の昼、私がコインランドリーに行って帰ってくると、美穂さんのイラストと手紙の入った小さな手提げがドアノブにかけてあった。
私が出かけている間に、美穂さんは私のアパートまで戻ってきたのだ。
「昨日はごめんね。今、明大前の喫茶店「倉敷」にいます。うんぬんかんぬん。。。」
私は明大前の喫茶店「倉敷」に走り、美穂さんを見つけた。
私が座るとお茶を飲みながら、美穂さんは昨夜の事を私に謝った。
そして何故かその流れで明大前の「居酒屋一線蒸気」飲みに行った。
その日も美穂さんは、居酒屋で酔っぱらうと乱れ、私の部屋に泊まり、明け方に帰った。
その翌日も、会社に行く前に私のアパートに寄ってから会社に行き、
会社の帰りに私のアパートに戻ってから自宅に帰って行った。
そんな日が、ほぼ毎日続き、美穂さんは社会人なのに関わらず、私の大学のバンドサークルのライブには必ず顔を出し、一番前の席に座り、私のイラストをプリントしたタオルを私のバンドの演奏の後、みんなの前で私に差し出してくれた。
サークルの同僚や先輩は
「中村の彼女、すげえ美人だな!」
と私に話しかける。まんざらでも無かった。
アパートの鍵を渡すと、ほぼ毎日私のアパートに来ては、私の性欲が空っぽになるまで求めた。
ある朝(朝である)寝ていた私の布団に潜り込み私の性欲を抜こうとする美穂さんに
「なぜそんなに抜きたいの?」
と聞くと、
「中村君が大学に行っても浮気しない様に!そんな気に絶対にならない様に、いつも空っぽで居て欲しいの」
驚くべき私への支配欲だった。
もしも浮気がバレようものなら、必ず殺されると感じていた。
ある日、私の両親が突然、アパートにやって来た時、美穂さんは裏の窓から逃げようとしたが、窓は空いても大きな数本の木々の為に出ることができなかった。
それでも、両親のピンポンは続く。
すると驚いた事に美穂さんは開き直り、化粧を始めた。
度胸のある女性だった。
しかし、両親のピンポンは止まり、諦めた両親はそのまま帰って行った。
美穂さんは少女のように無邪気でわがままで、すぐに怒り、
その怒りを鎮めるには愛し合えば良いのもわかった。
デートで新宿で待ち合わせをしても、時間通りに来ることは絶対に無く私が諭すと、
「たった20分遅れただけじゃん!気にしない気にしない(^▽^)」
訳の分からない事を無邪気に笑いながら言う、不思議で可愛く素敵な女性だった。
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