第8話 富雄との苦い思い出。最後の夜

その後の事は、忘れられない。

私は寝たふりをしていた。


部屋に戻って来た富雄は泣いていた。

裸でベッドに寝ていた美穂さんは、

「富雄ごめんね」

と謝っていた。

富雄は

「美穂さんの事、好きだったから」

と泣きながら話していた。


寝たふりをしていた私は、直接二人を見てはいなかったが、ベッドの上で何やら怪しい動きはしていた。

やがて、美穂さんは服を着て、部屋を出て行った。

富雄は近くまで見送ったようだ。


しばらくして富雄は部屋に戻ると、寝ている私の横に寝て、

「なんだ、起きてたのか。主水はイイよな~。美穂さんとやったんだろ」

「俺なんかこう!こんなにデカくなってるぜ」

富雄はなぜか、私の避妊具をした状態のイチモツを私に向け

「主水触ってみろや」

と私に言う。

私は男に興味はなかったが富雄が言うのだから、仕方なく富雄のイチモツを指先で突き、

「おお。富雄デケえなあ」

そう答えた。

確かにデカかった。


明け方、私が起きると富雄は帰っていた。


そしてその日が私が富雄と会った最後の日になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る