第41話:歓心・クラリス王太女視点
「素晴らしいですわ、アレックス様、スライムが話せるようになるなんて、前代未聞の大発見ではありませんか。
大陸中にアレックス様とスライムの素晴らしさを知らしめるべきです」
「ありがとうございます、クラリス王太女殿下」
「アレックス様、今は私的な場所ではありませんか、クラリスと呼び捨てにしてくださらないと嫌でございます」
アレックス様は真面目過ぎます。
キング、いえ、サクラの体内にいる間は誰に見られる心配もありませんのに。
常に互いの側近が複数いる時にしか会ってくださいません。
絶対に私達の秘密を漏らない側近しかいない時でも、スキンシップをしてくださろうとしません、寂しく物足らないです。
「ただこの研究成果のせいで、直ぐに王都に行くことができなくなりました。
ファイターキングゴブリン達を絶対に逃さないためにも、サクラの食糧を安定確保するためにも、レベル3ロードスライムをレベル5に成長させて、その後でレベル6ロードスライムを2匹のレベル3ロードスライムに分離させるまでは、私がここで直接指示しなければいけません。
申し訳ありませんが、クラリス王太女殿下だけで王都に戻っていただけませんか」
「嫌でございます、絶対に私1人では王都に戻りません。
私が王都に戻る時はアレックス様と一緒です」
アレックス様は私の評判を気にしてくれていますが、そんなモノは不要です。
誰になんと思われようと構わないのです。
いえ、むしろアレックス様との評判が広まる方がいいのです。
アレックス様の素晴らしさとキングスライムの強さが大陸中に広まれば、アレックス様を狙う女狐が押し寄せてきます。
そんな蟲共を少しでも少なくするためにも、親密さを知らしめなければいけないのです、それが王家のためでもあり王国のためでもあるのです。
「しかしながらクラリス王太女殿下、国王陛下も王妃殿下も心配されておられます」
「アレックス様はそんな些細な事を気にされずに、スライムの研究に邁進されてください、それが王家王国のためになるのですから。
そうそう、今まではスライムの事を匹と数えていましたが、これからは頭と数えた方がいいのではりませんか。
人間のために役に立つ益獣は頭と数えるのですから、スライムも1頭2頭と数えるべきですわ」
「ありがとうございます、クラリス王太女殿下、これからそうさせていただきます」
よかった、アレックス様に喜んでいただけました。
嫉妬や独占欲だと非難されるかもしれませんが、アレックス様を他の女に取られるのは絶対に嫌です。
アレックス様の心を得るための努力は惜しみません。
アレックス様をここまで熱中させるスライムに対する嫉妬はありますが、人間の女が近づくよりはずっとましです。
「主なスライム」
レベル1キングスライム:1頭
レベル6ロードスライム:1頭
レベル3ロードスライム:1頭
ヒュージスライム:9頭
ビッグスライム :35頭
「各種特殊スライム」
アシッドスライム :331頭
マジックスライム :279頭
ポイズンスライム :3912頭
ポーションスライム:933頭
ウッドスライム :1432頭
ロックスライム :942頭
ブロンズスライム :37頭
アイアンスライム :81頭
シルバースライム :8頭
ゴールドスライム :6頭
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