第40話:キングスライム
「ロードやキングと呼ばないで、私にはあなたがつけてくれたサクラという名前があるのだから、サクラと呼んで」
キングスライムに進化したスライムが初めて話しかけて来てくれたのは、自分の呼び名に関する要求だった。
確かにこの件に関しては俺が全面的に悪かった。
サクラという名前を付けておきながら、種族名で呼んでしまっていた。
言い訳をさせてもらえる点があるとすれば、常に合体統合や分離をさせていたので、個体という意識ではなく集合体という意識があったのだ。
だが、俺が悪いことに違いはない、だがら素直に謝った。
「ごめん、ごめんなサクラ、今度からちゃんと名前で呼ぶようにするよ。
だけど分離したスライム達は何て呼べばいいんだい」
「分離した子達もサクラと呼んでやってください。
分離するまでの記憶は私と共有していますから。
アレックス様が中継してくれたら、私と分離した子全員で記憶を共有できます」
キングスライムにまで進化したサクラは、人間の言葉が話せるようになっただけでなく、とても賢くなっていた。
いや、人間の言葉にできなかっただけで、以前から俺の思う事は分かってくれていたし、それを実行してくれるくらいに十分賢かった。
だがこれでまた王都に行くのが遅れてしまう。
今回キングスライムにまで進化してくれたが、そのために元がレベル3とレベル5のロードスライムを合体統合させたのだ。
だがその時にはその子達はレベル3とレベル5ではなかった。
効率的な経験値の獲得と、ゴブリンを食糧にした成長を駆使して、レベル5とレベル6のロードスライムに加えて、レベル1のロードスライムがいたのだ。
合体統合と分離を繰り返す事で、どの子も最高の能力が共通していた。
レベル5になった子はそのままレベル6を目指させて、レベル6の子はレベル3の子2匹に分けて、ファイターキングゴブリンとの戦闘で経験値を稼がせた。
レベル1の子は分裂、成長、合体統合、分離を繰り返させたスライム達との合体統合でレベル2を目指させていた。
他にも特定の食事だけを与えて成長させているスライムや、1匹のスライムから大切に成長させているヒュージスライムが7匹、ビックスライムが26匹もいる。
「主なスライム」
レベル5ロードスライム:1匹
レベル3ロードスライム:2匹
レベル1ロードスライム:1匹
ヒュージスライム:7匹
ビッグスライム :26匹
「各種特殊スライム」
アシッドスライム :211匹
マジックスライム :249匹
ポイズンスライム :3358匹
ポーションスライム:827匹
ウッドスライム :934匹
ロックスライム :712匹
ブロンズスライム :37匹
アイアンスライム :81匹
シルバースライム :8匹
ゴールドスライム :6匹
俺が恐々ロードを合体統合させたのは、レベル6ロードスライムが1匹、レベル5ロードスライムが2匹、レベル3ロードスライムが1匹になってからだった。
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