第2話:スライムとは

 俺は密かに同行してくれていたスライムを、縮小の状態から少しだけ大きくした。

 スライムしか従えることができないと気がついた時から、ラノベやアニメで行われていた手法を全て試して、スライムを育て研究し強化してきたのだ。

 その結果この世界のスライムの特性が色々と分かって来た。

 この世界で常識とされてきたことを覆す発見がいくつもあった。

 その全てを、この時のために秘匿してきたのだ。


「あまりの恐怖に気がふれられたか、アレックス様。

 スライムごときで我らを斃せるとお思いとは、情けなさすぎますぞ。

 主筋を苦しめるのは本意ではありません、一刀で殺して差し上げます」


 俺がスライム従魔師なのは知っているのだろう。

 父は俺の天職をリークン公爵家の恥だと考え、秘匿しようとしたようだが、このような社交界格好の噂を隠し通す事など不可能だ。

 噂を聞いたクラリス王太女は俺の事を探してくれるだろうか。

 だが今のままでは、俺には何の後ろ盾もなく、スーニー王家が他の王侯貴族を敵に回してでも、俺を王配に認めてくれるとは到底思えない。

 王侯貴族を圧倒するだけの実力と名声を得なければ、クラリス王太女と結婚する事など不可能だ。


「殺せるモノなら殺してもらおうか。

 その程度の腕では、俺のスライムを殺す事など絶対に不可能だよ」


 一般的にスライムが最弱だと呼ばれているのは、普通の冒険者が見かけるスライムがベビースライムからスライムまでだからだ。

 スライムまでが相手なら、戦闘の天職でなくても斃すことが可能だ。

 だが相手がビックスライム以上になるとそうはいかない。

 駆け出しの冒険者なら、ビックスライムにはとてもかなわない。


 種族や天職によって違いはあるだろうが、レベル20以上の冒険者でなければ、最低能力のビックスライムが相手でも殺されるだけだ。

 まして俺が鍛えて特殊能力を得たヒュージスライム達が相手では、伝説の冒険者でも勝つのは難しいだろう。

 今からそれを証明してやるよ、ノア、ジャック、チャール、レオ。


「レベル1状態のスライムの最低基準」

「ベビースライム」

種族 :ベビースライム

レベル:1

体力 :1

魔力 :1

攻撃力:1

防御力:1

俊敏性:1

スキル:貪食

「リトルスライム」

種族 :リトルスライム

レベル:1

体力 :10

魔力 :10

攻撃力:10

防御力:10

俊敏性:10

スキル:貪食

「スライム」

種族 :スライム

レベル:1

体力 :100

魔力 :100

攻撃力:100

防御力:100

俊敏性:100

スキル:貪食

「ビックスライム」 

種族 :ビックスライム

レベル:1

体力 :10000

魔力 :10000

攻撃力:10000

防御力:10000

俊敏性:10000

スキル:貪食    

「ヒュージスライム」

種族 :ヒュージスライム

レベル:1

体力 :100000

魔力 :100000

攻撃力:100000

防御力:100000

俊敏性:100000

スキル:貪食


「スライムの種類」

ベビースライム :500g以上の生まれて直ぐのスライム

リトルスライム :5kg以上の若いスライム

スライム    :50kg以上の人間の膝までくらいの成体スライム

ビッグスライム :5トン、成体スライムが百匹合体統合した強力なスライム

ヒュージスライム:50トン、成体スライムが千匹合体統合した強力なスライム

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