第2章 

第26話 異変

学校は世界の挟間にあるが、そこに通う生徒たちは学校に通うため近くにに住んでいる。安全の為、言うならが学校の中で寮などを作ればいいじゃないかと意見は出てくるが、夜、学校は首脳たちの会議や貿易などで使われている為、寮を作るのは警備の面的に無理となっていた。ならばと、当然ながら、学校の近くは、生徒たちの為に警備が厚くされている。


警察署の一番広い部屋で監視カメラの映像が視界一杯に流れている部屋があった。そのモニター室では、警告を示すアラームが頻繁になっていた。


「またか」


あまりにもアラームが鳴るのでそこで監視している鮫島はため息をついていた。


「しかし、最近、やたら、魔物が現れるっすね」


その横には若い刑事が鮫島と一緒にモニターを監視していた。


「ついにこちらの世界にも魔物が出現するようになったと言う事かもしれんな」

「だとしたら、俺たちの仕事が増えちゃいますね、鮫島先輩」

「そんな気軽に構えている場合か、新井」


鮫島は新井の頭をぐりぐりと拳でえぐっていた。一見、パワハラと言われそうな光景だが、他の者は見慣れたすぎた光景で止める様子はない。


「そんなこと言っても、自分には何もできないので悲観的になるぐらいしか、出来ないっすよ」

「おめぇ、出来のいい頭で少しでも減らす方法を考えてみろよ」

「自然発生するものを自分ではどうにも無理スッよ」

「そうかもしれんが、このまま魔物の出現が多くなるようなら、警護の体制を見直さなきゃならんな」

「確かにそうかも知れないっすね、まだ、不満の声は上がってないっすけど、こんなにハイペースの出動が続けば、不満の声が上がってくるっすよ」

「全く、お前は気軽だな」

「人生、気軽が一番っすよ、あまり悩んじゃうよ、禿げちゃいますよ、鮫島先輩」

「うるぜぇな、人の気にしていることを弄る余裕があるなら、おめぇはさっさと仕事しろ、仕事」

「謝りますから、もう頭ぐりぐりしないで下さいよ~」

「おめぇにはこれぐらいが丁度いいんだよ」

「いたたたた」


周りの者はよく鬼教官と言われる鮫島さんにあんな冗談言えるんだよと周りの者は新井を得意な目で見ていた。


「それにしてもこれは彼にも協力を要請しなければいけないっすかね」

「なるべくはしたくはないが、もしもの時はしょうがないだろう」

「そうならないように頑張るっす」

「お前は初めからやる気を出せ」

「だから、頭、ぐりぐりしないでほしいっす」


こんな他愛もない話をしている中、また追加でアラームが鳴り響いた。少しずつだが、町に異変が起ころうとしていた。

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