第75話おっさんの欲とルファの忠誠
朝を迎えました。
はい。ご想像通り隣には裸でスヤスヤ気持ちよさそうに眠るルファがいます。 ここは覚悟を決めまるべきかな。
私にだって性欲はあります。
それにしてもなんだか若返った気分だ!実際17歳ですけど……。
ピクピクと動くフワフワな耳を優しく撫でていると、ごそごそとルファが動きだす。
おっ起きましたね
「おはようございます。ルファ」
「んにゃ…おはようございま…す?」
目が合い数秒間。寝ぼけているルファも可愛いですね。
「ひゃっ!ごごごご主人様?もももも申し訳ございませんでした!何卒何卒…」
状況を理解したルファが飛び起き、シーツを纏い土下座を始める。
「おっ。その感じがいいですね。無理しないでいいですよ。どういう経緯で奴隷になったかは知りませんが、私はあなたをこの国の奴隷のような扱いをするつもりはありません。だからもっと感情を見せてください。昨日も…なんというかルファが可愛かったから私も我慢できませんでした。こちらこそ申し訳ない。」
御奉仕はあれだけいらないと言っておきながら、我慢が出来なかった私にも責任があります。ルファは私の好みにストライクですからね。そりゃ欲情しますよ。
それにあのルファの発情にしたって、私のブラッシングで発情したワンコやニャンコは1匹じゃないんですよね……。そりゃもう大変な感じに……。
まさか獣人も発情してしまうとは……。我ながら恐ろしいブラッシングスキルだ。はっはっはー……。ホント申し訳ない。
「可愛い…。ああの!ご主人様。私に敬語なんて使わないでください!ご主人様の優しさに甘えてしまっていましたが、奴隷に敬語はおかしいです!」
昨日より表情豊かになったルファが、さらに顔を赤くする。
「ん〜。と言っても長年染み付いてしまった喋り方なんですけどね」
事務方一筋で、営業の人達と上手くやるためにこの口調が染み付いてしまいました。
といっても今は17歳。違和感ありますよね……。私自身だって違和感感じてますしね。
セイドウくんみたいな口調は無理ですが、流石にこの国で奴隷やほかの冒険者にこの口調はまずいですよね。
「じゃあよろしく。ルファ」
「はい!ご主人様」
わー恥ずかしい。恥ずかしいなこれは。慣れない事はするもんじゃない。まぁでもこれでルファが笑顔になるならば頑張ろうかね。
朝食を食べに食堂へ向かう。昨日ルファの分を支払を済ませましたからこの食堂では一緒に食べられるようになっている。
女将さんには奴隷差別的な考えはなくホントに助かる。
「おはよう。タクト。ルファ。ちゃっちゃと食べちゃいな。」
いつもと変わらないやり取りで朝食を受け取る。
あっ……違いますね。女将さんの口の動き……。
昨日は…お楽しみ…だったね。
「⁈」
あぁそれは聞こえますよね。
「もー。タクトくんは私の物だったのにーーーー!」
「わっ。あ…ネルさん。おはようございます。相変わらずですね。あっネルさんのものではないです。」
相変わらず気配なく現れる人ですね。ほらルファも驚きすぎて尻尾がブワァってなってますよ。
結局散々いじられ、真っ赤な顔で恥ずかしさのあまり、動けなくなったルファの手を引っ張りながら部屋へ戻った。
「ご主人様!お腹をお腹を撫でて下さい!」
「はっ?えっ⁈」
部屋に戻ると、意を決したようにルファがお腹を出して目の前に立った。
どうしたのかと心配になりましたが、忠誠を誓う行為だそうです。
天狐族は服従を誓う相手に自らお腹を出し、腹を撫でさせる事で忠誠を誓うそうで、この行為は主従関係の順位づけの行為のようだ。
「奴隷としてではなく、ご主人様を本当のご主人様として仕えたいです。お願いします!」
「わかりまし…わかった。ルファはそれでいいんだね?じゃあ撫でるよ……」
「はい!」
言われた通り、ルファが出したお腹を撫でる。この行為はルファ自らが自らの意思を持ってお腹を出すことが重要で、無理やりお腹を出させて撫でても意味がない。
本当の意味で忠誠を誓うという天狐族における契約を意味する。
これは私も応えないといけませんね。
私はお腹をしまったルファから一歩後ろへ下がる。ルファの忠誠に応えましょう。
「ルファ。ルファの信頼に応えて私も私の能力の一端をルファに見せようと思う。私の秘密も含めてね。」
そう言って人差し指を立てて内緒だと示す。
「ビックリすると思うけど慌てないでね」
驚いた様子でコクリと頷いたルファを確認し、そのまま手をかざし、いつものように呼ぶ。
召喚
リィス
召喚
ペル
召喚
キュリ
3つの魔法陣が床に描かれた瞬間。
オリジナルスライムのリィス、大蝙蝠のペル、そしてフードを被り杖を持ったスケルトン。スケルトンメイジユニークのキュリ。
3体の融合魔物フュージョンモンスターが召喚された。
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