第3話 比較的平和な1日であったはず。
グゥアーーーッ。昨日の疲れもあり、かなり寝ていたようだった。起きたばかりで意識が朦朧する中、欠かさずにゲームのログインをした。携帯の画面を見ればもう既に12時35分であった。あっもう昼か、と思いつつ、朝食を済まし、狩人検定にむけての練習をしようと、とりあえず服を着替えて外に出た。しかし、ここでもう既に問題が起きていた。もう一度自分の所持品を確認してみよう。えーっと、、、所持金758G、、、ババアから盗った矢、、、おしまい、、、。今のところ自分は間違いなく、狩人の道ではなく盗賊の道を順調に歩んでいた、、、。
これはどうしたものかと思いつつ、弓を作らなければならないと感じ、父の鍛冶屋へ行き鍛冶屋の父に弓の作製を頼むことにした。
「親父頼みがある。弓を作ってもらいたい。」
「弓?? 別に良いが、、、 先に言っておくと、お前の期待に応えれるようなものは作れないと思うぞ。あと弓を作るのは初めてだから1日、時間をくれ。」
親父はそういいつつ、早速俺のために大事そうな箱からなにかインゴットを取り出して、炉にインゴットを掴んだ火箸を突っ込み、本格的な作業を始めた。
弓に鉄??どの部分??と思いつつ、今日の練習の予定を変更し再び村の清掃の仕事を請けることにした。
「おっさーん。 今日の仕事場所教えてー。」
「お前。 金がほしいんだよな。 ここに行け。 昨日の倍以上。 やる。 行け。」
おっさんはそう言って、昨日と同じ道具を俺に渡す。そして、俺は清掃場所の地図を確認した、、、。勇者ライン=レッドスピアの墓???聞いたことなく、一体どんなところだろうと疑問に思いつつ、その清掃場所に向かった、、、。
清掃場所には、大理石で作られた墓石があり、その前に金色に輝きを放つ剣が地面に刺さっていた。周りは水で囲まれ、神秘的であった。
綺麗だなー。と思いつつ墓石に腰をかけた。すると、不意に足を滑らせて、剣の方向に倒れてしまった、、、。いててテテ。幸いに怪我はしなかったものの、そこに刺さっていた剣を折ってしまった。
俺は折れてしまった剣を折れた部分に頑張ってひっつけ、剣が折れてないように見せた。そして、その場を去りおっさんのところへ戻った。
「お、おっさん! 無事終わったぜ!」
「よくやった。 あそこは。 魔王様が年に一度来て、管理している。 何も異常がないのなら、それで十分。 これ報酬。」
おっさんはそういって、俺は1800Gを受け取った。大金を手に入れたが、嬉しさよりも、罪悪感に襲われて素直に喜ぶことができなかった。
「あ、ありがとよ。おっさん!」
俺はおっさんの言ったことに困惑しつつも家へ帰った。すると、親父が完成した金属製の弓を持っていた。
「富成お帰り! 例の頼まれた弓は予想よりも早く完成したから。 もうこれをお前にやるよ!」
「重ッ!!」
想像以上の重さに手から弓を落とそうとした。
確かに、この弓ならなんでも一撃で獲物を仕留めれそうだが、、、弓の取り回しの良さはそこにはもう無かった、、、。
「ありがとう親父。大切に使うよ。」
「この弓はな昨日入手できた特別なインゴットで作ったものだから、まだどんな性能をするのかもイマイチ分からん。だから、お前自身で試しながら使ってくれ。」
特別な弓を入手したということに嬉しさを感じた。そして、俺は明日こそは必ず練習をしようと決意をした。
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