第10話 第26代セオドア・ルーズベルト
共和党(1901-1909)2期
ルーズベルトが大統領を継いだのは42歳という若さであった。海軍次官として海軍の整備に尽力し、その職にあった時に米西戦争が勃発した。彼は直ちに職を辞し、陸軍士官としてキューバで小さな連隊を率いて奮戦した。その功績で名誉勲章が授与され、一躍名を上げる。ニューヨーク州知事になり、マッキンレーの引きにより、副大統領に選出された。
国内改革としては、
ペンシルバニア州で起きた石炭労働争議に対して調停役の行動を取った。大統領が労資紛争の調停役をとったのはこれが最初であった。連邦商務労働省を新設し、企業に対する連邦政府の規制を拡大する意思を示し、新しい鉄道規制法、食肉産業に対する食肉検査法、食品・薬品管理法を成立させた。
従来の私有化を基礎とした公有地政策を国有林、野生動物保護区として保存する方向での修正をはかった。提示された問題に対して専門家を積極的に活用し、能率的な行政処理をめざした20世紀の新しい政治の流れを提示した。
外交政策では、
かつて海軍省次官職にあった彼はカリブ海を勢力圏にする〈棍棒外交〉を推進した。『大きな棍棒を携え、穏やかに話す』という彼の言葉からでた。モンロー主義を拡大解釈し、カリブ海域の「慢性的な不正と無能」に対してはアメリカが武力干渉することを正当化した。その代表的なのが、1903年にパナマをコロンビアから強引に独立させ、パナマ運河の工事権と租借権を獲得したことがあげられる。他にも、1902年キューバの独立を認めたが、実質保護国下においたことや、ドミニカ共和国にも政治的介入を行った。
また、日本贔屓の大統領として知られている。それは新渡戸稲造の『武士道』を読んで感動したところから来たと云われている。日露戦争のポーツマス講和条約の仲介を取ってノーベル平和賞を受賞している。男らしい生き方とともに、歴代大統領の人気ではベスト5に入っている。
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