第10話 幕引き

決意。

それは、自ら命を絶つこと。

俺、大田原優はまず、遺書を書いた

「私、大田原優は命を狙われています。何故かは分かりませんが確実に狙われています。大切な友人たちがオシロイさまに取り憑かれています。この呪いを解くには自ら命を絶ち、捧げるしかありません。この謎めいた吉宮村の真実を暴いてください。それだけが私の願いです。」と我ながら粗雑だなと思って笑ってしまったが、これでいい。焦っていることが伝わりやすいからだ。

そして、家にある縄と丁度縄をかける所があり、そこで首を吊り、命を絶った。


その後

私は、御伽原ニナ。大田原優くんのお隣さんで幼なじみです。

彼が、自ら命を絶ったと聞き、信じられませんでした。確かに、様子がおかしかったけど、まさかこんな事になるなんて…

私も彼と同じようにおかしくなったようなのですが、恐らくオシロイさまが迎えに来てくれたんです。

だから、彼のとこに今、向かいます。

待っててね、優くん…。


結末

私は、大蔵石人。吉宮署の刑事です。

私が、おんそれ送りの翌日に話をした彼が亡くなり、その後幼なじみである御伽原さんが亡くなったことを大変悔やみ、私は刑事の職を辞することとなりました。

周りの方からは「石ちゃん、あなたのせいとはいえないのではないか?」と止められもしましたが、遺族の方、そしてお友達のみなさんのことを考えるとこのまま刑事をやっていいはずがないという決意は揺るぎませんでした。

-イナリカクシ編 完-

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る