第4話 オシロイさま信仰の由来

吉木館にはオシロイさま信仰というものがある。

例えば、吉宮ではオサトさまをオシロイさまの使者として祀っている。

このオシロイさま信仰の始まりは恐れを祀り、村の平穏を祈ったのが始まりとされている。

そのルーツは山童根市内中心部の里宮さとのみやにある里宮神社にあると言われている。

里宮神社は願い牛という触ることにより願いが叶うと言われている牛の像や、石が重いか軽いかで願いが叶うかが分かるおもかる石などがある。

様々な神を祀っているが、その中でも市神いちがみとよく一般的に言われている「オハヤシさま」というものを祀っている。

このオハヤシさまはマツリごとやハヤシごとと言った賑やかな催し物を成功させてくれる神様で大変喜ばれ信仰されているという。

しかし、このオハヤシさまを祀った御堂おどうを市が道路整備などの土地整理を行い始めた結果、本来あった所から撤去されることとなった。

その作業中にそれを推進した役人が亡くなってしまう事故が発生した。

それをオハヤシさまの祟りだとした地域住民や役人たちにより、オハヤシさまを里宮神社に奉納し祀ろうと考え、里宮神社に移した。

この話が吉木館に古くから伝わる恐れを祀るオサトさま信仰と結びつき、オシロイさま信仰となり、オサトさまがその使者ということになったのだそうだ。

-続く-

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