1万通のラブレター

 手紙はその次の日から毎日交換した

 日曜日や祝日は短い時間でも会ってデートしながら手紙を交換する

 お互いのことをより知ることができた

 

 高校を卒業しても手紙の交換は続いた

 僕も結子も大学に行ったので手紙の交換頻度は下がったけど交換は続いた

 離れていても気持ちの繋がりを確認できた


 就職して忙しくても手紙の交換は続いた

 どんなに忙しくても決まった日に手紙の交換は続いた

 二人の気持ちが燃え上っていくのを感じた


 結婚しても手紙の交換は続いた

 仕事に行くときと帰ってきたときに交換した

 毎日の楽しみだ

 

 子どもが生まれても手紙の交換は続いた

 疲れていた時はそっと手紙を送った

 子どもの成長や相談の手紙は夫婦としての絆を強めた

 

 仕事が定年になっても手紙の交換は続いた

 最後の仕事の日の手紙は涙なしには読めなかった

 結子の存在に強く感謝して手紙を返した


 そして、きっと最後なるだろう今手紙を書いている

 結子への愛と感謝を書き残して遺書とした


 たくさんの手紙を書いた

 長い手紙、短い手紙、メモのような手紙

 すべて結子に宛てた「ラブレター」

 そして結子からも多くの「ラブレター」をもらった

 数は正確には分からないが

 こんなに多くのラブレターを貰えた僕は幸せ者だ

 ありがとう、結子

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