第5話

「裕翔……」


「うおっ!?」


 放課後、さっさと帰ってまふこはの切り抜き動画作ろうとそそくさと玄関で靴を着替えていると、後ろから急に抱きしめられてドキドキした。


 しかし、次の瞬間に玄関にいた男子からものすごく殺気の籠った視線を一気に浴びたので今は別の意味でドキドキしている。


 この落ち着いた感じと、抱きつき方からしてーーーというより、まぁ声で冬城さんってことは分かるけど。


「と、冬城さん」


「裕翔、一緒に帰りましょ」


 と、一瞬の内にいつの間にか俺の右腕を占領し、何やら腕に柔らかな感触が襲ってきた。


 ………お、おう……これが冬城さんの……何回もこうされてるけど、未だに慣れる気がしない。


「……い、犬山さんは?」


「小鞠は委員会よ。ほら、裕翔……久々の二人きりですもの……今日はキスくらい……」


 冬城さんがそう言った瞬間、殺気の密度が濃くなり、更に俺の心臓はドキドキする……主に命の危機方面で。


「ちょ!?冬城さん!?」


「何?嘘ではないわよ」


 確かに!嘘じゃないけど違うから!


 しかも、あれって無理やり二人からキスしたじゃん、ほっぺたに……。


「さ、帰るわよ裕翔。ついでに私の家にも寄っていきなさい」


「な、なぜ……」


「当たり前じゃない。そんなの、裕翔との既成事実を作るために決まってるでしょ?」


「本人の目の前でっ!?」


 怖い!この子怖い!生放送の時にこはねを優しく抱擁しているあれは一体なんなのだろうか……。





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 ぶっちゃけネタが無いので、1話1話が短い短編形式で行きます。これだったらエタらずに、皆様に砂糖を供給できるかと。

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