第3話

 店の正面は新刊や週刊誌の表紙を上にして多くの本が陳列されていた。普段通っている本屋を彷彿とさせ、男はふと拍子抜けといった心地になったものの、周囲の本を見渡してみると、これら本の内容はまさに「18禁」の内容であった。子供には見せたくない単語や文章が表紙に書き出されているのを見て、男はなぜかほっとした気持ちになった。この感情と同時に男はその雑誌の表紙に一種の懐かしさが芽生えていることに気づいた。この懐かしさの原因は男にも理解できたらしく、それはコンビニエンスストアや本屋でこういった類の雑誌を見ることができなくなったことが原因であると男は一人納得した。少し前まではコンビニのトイレに向かう際、右側に陳列された雑誌の表紙を我々はなんとかして目に焼き付けようとしたものである。禁止されている事象ほど「見たい」という純粋な好奇心が高まりだすのは当然の帰結なのだと男は気づいた。そのワードに対して興奮することよりも内容が何かを理解するという好奇心の達成に子供ながら我々は羨望していたのかもしれない。男はこのブースを右に曲がりDVDがあると思われるブースへ向かった。

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18禁ショップに初めて来た話 ヤツメウナギ @yatume_unagi

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