第20話 彩芽の思い



私、桜丘彩芽はひーくんの事が好きだ。

何故、そんなことを心の中で語り出したか。

まずは私の生まれから話すべきだろう。

私の生まれは貧乏だった。かなりの年季が入ったボロアパートで、お母さんが女手1つで養ってくれた。

私は小さい頃から容姿だけは良かったから、色んな人から妬まれたり、告白されたり。その大抵の理由は一目惚れだったんだけど。

そして、昔からひーくんとはご近所さんだった。

ある時、私にストーカーが出来た。中学2年の時だったかな?まだ幼かった私には(今も幼いけど!)とても怖くて、怖くて。お母さんはいつも遅くまで働いていたし、相談も出来なかった。先生に相談しようと思ったけど、その頃にはオーディションも受け始めてた。学校にいい事なかったし。大抵のやつは1次審査通ってたから、先生にも妬まれてて、相手にされなかった。だから、必死に耐えてた。

じゃあ、たまに小学生になってからは、たまに挨拶する程度だったはずのひーくんが助けてくれた。

私はかっこいいと思った。

今まで私は一目惚れのやつは最低とか思ってた。だって表面でしか見てないから。だけど、その時にはもう惚れてたみたい。

そんな事を思い出していると、私も香織さんのコメント事を色々言えない。私も一目惚れみたいな物だったからね。でも、過程は違う・・・・・・はず。

そして、今。

もう会えないと思ってた。都道府県がかなり離れちゃったから。だから、せめて忘れて貰わないようにいっぱい努力した。だから会えた・・・・・・と思ってる。

また会える。という事はひーくんを落とせるということ。

だから、私は紫苑に声をかけた。



ひーくんを落とす為に。


そして、


香織さんを潰す為に。

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