第18話 その後
体育祭は終わった。僕個人の結果は良かったけど、全体としては他クラスに負けてしまった。リレーの後に彩芽との握手があったりした。ニコニコしてる彩芽を見てすごいと思った。この後、香織との集合がある。
「お待たせ〜。ホームルームが長引いちゃって」
「僕もさっき終わったよ。えっと、Aquaのメンバーの許可は取ってるから行こうか」
「うん」
悪寒がした気がした。
◆◆
僕の家の前に着いた。香織も緊張しているみたいで、顔が強ばっている。
「ただいま」「お邪魔します」
「あ!ひーくんお帰り!この子が言ってた子?」
「そうだよ。あの2人は?」
「確か・・・買い物に行ってた気がする!」
「とりあえず彩芽、自己紹介でもしといたら?僕は荷物を置いてくる」
「了解!」
◆◆
(香織視点)
うわぁ、本物だ!寛人くんにも繋がりがあるんだ。
「えっとぉ、初めまして。天童香織といいます」
「初めまして。桜丘彩芽です。ちなみに君はひーくんのことをどう思ってるの?」
いきなりすごい質問がきた。でも、彩芽さんが幼馴染と聞いて絶対くると思ってた質問だ。ここでは考えていた答えをだそう。
「私は寛人くんの事が好きです。そういうことを聞くということはあなたも?」
「まぁそうだね。君みたいな尻軽の子には絶対ひーくんは渡さないから」
尻軽?私が?
「それは聞き捨てなりませんね。私の初恋は寛人くんですよ?」
「それは私もなんだよ?しかも口だけならなんとでも言えるからね。どうせ、ひーくんの顔を見て惚れたんでしょ?まぁ当然だよね、あんだけイケメンだもん。でも私は知ってるの。ひーくんがどんだけ優しい心を持ってるか」
むぅ。1番言われたくない事を言われてしまった。確かに私は寛人くんの顔がかっこいいだと思ったから好きという気持ちになった。
でも、その気持ちの強さは誰にも負けてない。
「そうですね。それは認めます。ですが、出会い方と感情の強さは違いますよ?」
「2人とも〜早くリビングきなよ〜」
寛人くんの声が聞こえた。
「「はーい」」
「とりあえず休戦ね。天童さん、貴方には負けないよ?」
「それはこっちのセリフです」
玄関が開いた音がした。
「彩芽ちゃん、玄関で何してるの〜?圧がすごいよ〜。あ!この子が寛人さんの行ってた子か〜。可愛いね〜」
紫苑ちゃんだった。さっきまで言い争ってたから正直ほわ〜んとした空気は気持ちが楽になる。
「初めまして、天童香織です。紫苑さんですよね?」
Aquaのメンバーなんだけど・・・・・・3人の中であんまりイベントとかに参加してない人だからよく分からない。
「んん?そうだよ〜。香織ちゃんよろしくね〜。今まで何を言い争ってたの〜?」
「ひーくんのことだよ、紫苑」
「あ〜なるほどね・・・・・・、紫苑は〜中立のつもりだけど・・・・・・」
寒気がした。
「いつまでもやり合ってくれるんだったら紫苑が貰うよ?」
空気が強ばった。この人も狙ってるんだ。
「まだ好感が持てる程度だけどね〜。アイドルが終わるまでは狙うつもりはないから、安心してね?香織ちゃん」
圧がすごい。彩芽さんは可愛らしい圧?だけど紫苑さんはどす黒い圧だ。正直、怖い。
「よろしくお願いします」
私たちはこの家の中での接し方を決めて、リビングに向かった。
◇◇
玄関戦が長引いてしまった。
今日は後1話は投稿するつもりです。
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