第10話 土曜日 2


周りの視線が痛い。まぁ、香織と僕が釣り合っていないってのもあるだろうな。

「なぁ、あの子むっちゃ可愛くね?」

「それ思った。でも、隣に歩いてるやつ彼氏ぽくね?俺ら絶対勝てないじゃん」

「何あのイケメン。やばすぎんだろ」

僕と香織を勝手にカレカノにしないであげてください。香織がかわいそうです。

香織?何故顔を赤らめるのかな?

「ねぇ、このお店行こーよ」

「ん?いいよ。いいんだけど、服を買うんだよね?」

「ん?そうだよ?」

「ここって、女の子のものとかが売ってるとこだよね?」

どういうことかな?意図がわからない。

「まあまあ、そんな事気になさんな」

「まぁ、香織が行くんだし、僕も行くけどね」



◇◇


周りの視線が痛い。これで、本日2度目だよ?

「あの人むっちゃイケメンじゃない?!」

「でも、あの横の子彼女っぽいよ。私たちじゃ絶対勝てないよ」

「すごいね、寛人君。2人でいると、凄く注目されるね」

「それは、香織が可愛いからじゃないかな?僕にいいところなんて、無いからね」

「それ本当に言ってる?寛人君は良いところがいっぱいあるよ?かっこよくて、勉強も出来て、運動もできる!だから私は寛人君の事がす•••」

香織さんが硬直した。まぁ、僕如きを褒めてくれたからかな?緊張でもしたんだろう。勉強と運動は人並みに出来るけど、僕はイケメンでも何でもない。普通だ。

「香織?大丈夫?何を言おうとしてたの?」

「なんでもない!今の忘れて!」

ほらやっぱり。僕如きを褒めるのが難しかったんじゃないかな?

「分かった。ちなみに、香織。この髪飾り欲しいんでしょ?」

「なんで分かったの!?」

「さっきから目が泳いでたよ?ちょっと待っててね」

僕は、白がベースの髪飾りを買ってきた。

「はい、これプレゼント。また、遊びに行くときに付けて来てくれると嬉しいな、なんて」

「寛人君、ありがとう!今度は私がお返しするね!」

「もう、買う物は無いんじゃないかな?服屋さん行こ?」

「えー、、、わかった!服屋さん行こっか!」


◇◇


周りからの視線が痛い。とてもデジャブを感じる。

香織は真剣に僕の服を選んでくれた。

「これかなー。いや、これもすてがたい•••よし!寛人君、この2つ着てみて!」

「分かった、香織」

僕は2つの服を着た。

「んーどっちも良かったんだよね」

いつのまにか、10代ぐらいのギャラリーが、香織と一緒に迷ってる。何故なのか?

まぁ僕は香織がこの黒がベースの服がいいと思ってることには気付いてるんだけどね。目が動いている。

「香織、僕はこっちにするよ」

僕は、灰色の服をとった。

「•••わかった!寛人君の意見を尊重するべきだからね!」

「嘘だよ、香織は黒がいいんでしょ?まぁ、僕も黒が良かったんだけどね」

「•••気づいてたの?」

「まぁね、香織分かりやすいし。」

服が決まった事で、ギャラリーも散っていった。

「私の気持ちがもて遊ばれました!これは何か対価を示してもらわなければ、怒ります!」

「じゃあ、香織。服を選んでくれて、ありがとね。また、今度遊びに行きたいんだけど良いかな?」

僕自身、楽しかった。凌平の知識は無駄だったけど。まぁ、僕みたいな、普通の男子は相手にされないか。

「いいの?」

「なんでダメなの?僕、今日楽しかったよ?」

「分かった!!また、一緒に行こ!」

「じゃあ、そういう事で、予定は任せても良いかな?」

「良いよ!次も考えておくね」

こうして、僕と香織のデート?は終わったのだった。



◇◇

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