第3話 部活動開始!
俺は先輩に一目惚れして部活に入ったわけだが、流石に部活をしないわけにもいかない。
「ていうか、よくこの部活存続してますね」
「まぁ、私が頭いいからじゃない? でも、もう我慢の限界か何か知らないけど、部自体がそろそろ廃部になりそうなんだよね。氷河先生とか知ってるでしょ?
氷河先生にも結構助けてもらったんだけどね……。でもまともに活動してない部活だし、流石にもう無理そう」
「凄い喋りますね……だったら活動しましょうよ」
「え?」
てなわけで、学校の掲示板を使ったり、クラやシンにも協力してもらったりして、まずは悩んでいる人を探すことにした。そして、居たら相談部の部室に来てもらうという流れにした。
昼休みにふと来ていたメッセージを見ると、凛先輩からだった。
「清輝君は結構友達いるんだね」
「まぁ誰とでも一応話せますし。あいつらは昔からの仲ですし……」
「私もいたんだよ1人。でもどこかにいっちゃった」
「そうなんですか。仲良かったんですか?」
「うん。昔はずっと遊んでたりしてた」
「それは辛いですね」
正直、親友とかが転校するのは辛いと思う。 俺だってクラやシンが転校したら辛いし……。まぁ、先輩の事が少し知れたのは嬉しかったかな? 失礼だとは思うけどね……。
放課後、相談者はまだ来ない。俺と先輩は、話しながら待っていた。
「なんで清輝君は部員になってくれたの?」
「まぁなんか凛先輩悲しそうだったし、見てられないというかなんというか……」
「清輝君は優しいんだね。私はてっきり別の理由かと思ってた」
「どんな理由だと思ってたんですか?」
「内緒〜」
そう言って小悪魔みたいな笑顔をする先輩にドキッとした。
すると、誰かが相談部のドアを開いた。
「あの……相談部はここでよろしかったでしょうか?」
「来ましたよ凛先輩!」
「本当だ! 清輝君ありがと〜っ!」
そう言って手をぶんぶん振り回す先輩はやはり可愛い。
「で、相談事を聞いてほしくて……」
「待てよ? お前同じクラスにいなかったか?」
「あ、はい。私、羽咲 雛(はねさき ひな)です」
「あーいたいた。で、今日はどうしたんだ?」
あまり面識はないが、いつも読書してる女子っていうのは知っていた。
「普段ラノベを読んでるんですけど、とある男子にそれを見られて……きもいとか、オタクとか言われて」
「あぁ、よくあるパターンだねぇ。私もよくわかるよ」
「わかんないよ! だって皆こんなの読まないんでしょ!」
「まぁまぁ落ち着け。けど案外読んでる人多いぞ? 俺だったら有名どころで、この素晴らしい世界に鉄拳を! とか」
「あれ面白いよね。私は俺の青春ラブコメは満点だった件とか」
「え……? 皆さん読むんですか?」
「読む読む。昔、親友と大喧嘩したぐらい」
あの時、とあるラノベで俺の推しエンドだったんだけど、負けたヒロインが好きだったクラがめっちゃ泣いてて、ざまぁとか言ったら殴られたんだよなぁ……。
「じゃあ、最近流行りの北海道は寒さの中とか強キャラ山崎くんとかも?」
「あぁ人気のやつな。読んでる読んでる」
「作者がエゴサしてて面白いよね、あれ」
「凛先輩もアニメとかラノベとか好きだったんだ」
「えへへ〜実はそうなんだよねぇ」
「なんでオタクって嫌われるのでしょうか……」
「まぁ物分かりがいい奴もいるんだけどな。まぁオタクは邪道みたいなイケイケポンポン! みたいなグループもある」
「女子でもいたなぁそういうの」
「やっぱり学校とかでは隠した方がいいのかな……」
「隠すなら宮脇書店とか便利だぞ。表紙とか見えないで済むから学校で読む時助かる」
「けど本棚に入れるときは透明にするでしょ?」
「わかりみが深い」
「でどうしたらいいんでしょうか、私は」
少し戸惑いながら質問した羽咲さん。
「まぁ良さを伝えるっていうのが1番かなぁ」
「そうだね」
「まぁ、俺も一緒のクラスだし手伝うよ」
こうして部活動らしい活動を行う俺らであった……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます