たましいの詩



 

 愛を知った町に帰るたびのこと、

 何度洗い流そうと右腕だけは覚えてる感触が脳を覚醒させ、無意識が正しく構える。

 ボールを待つ正しい構え。白球が脳裏上で迫りきて、右腕を振ればおしまいだ。次に気づいたら靴が芝を滑る音。荒くなるのは息だけで、プレーも言葉もしっかり大人っぽくなって、ぼくもあいても若さが消えかかって、

 それでもなお白球を打ち返す右腕に、

 魂の住処を託したい

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