第10話 おかーさん。 今日からおかーさんの居た1階で生活していくね
今日から、下で生活していくよ。 おかーさん。
来週には廃品回収が来てくれるから、1階で生活しながら2回の私の部屋を空けて行きます。
おかーさんの居た部屋で生活していけば、少しは食欲戻る気がしてる。
病院で。
1回目の抗がん剤治療で、おかーさんが急変してから。
980円で買ったカシオの同じ2つの腕時計。
おかーさんと私のバッグにそれぞれつけて、病院やランチ、買い出しの時に使ってたね。
その時計をおかーさんは、体調が悪くなってから腕がどんどん変色していく中で、ベッドから起きられなくなっていく中で看護婦さんに懇願して、何度もお願いして腕時計つけさせてもらったんだってね。
私にはただの消耗品の時計だったのに、おかーさんには特別な時計だったんだね、、、ごめんね、ありがとう。おかーさん。
涙が少し滲むな。
おかーさんが死んだこと、私の中で少しずつ降り積もってくるように浸透してく。
おかーさんが大事にしてくれた時計、骨壺に入れた。
本当は棺に入れたかったけど、燃えないからダメってことで。
おかーさんが、写真よりも私が書いた走り書き、何度も何度も見返してくれていたんだってね。
いつもの黄色い付箋紙に「 おかーさんへ 早く帰って来て ね ちえこ 」
その紙を大事に何度も何度も見返してくれてありがとう。
迷信は信じないので、弟にも許可をもらって幼少期のおかーさんと私たち姉弟で映っている写真と、おかーさんが何度も病院のベッドで見返してくれた忘年会のおかーさんが歌って私が横でポージングしている写真とかといっしょに、黄色い最後におかーさんに書いた付箋紙。
冷たくなったおかーさんの顔の横に、そっと置いた。
おかーさんと、1年半あたりまで?
パスも使って、バスや電車でランチとおかーさんの好きなよう服を見に回ったね。
おかーさんのパスモ1880円くらい残ってたから、整体で1770円くらいだったったので支払ったった(笑
おかーさんと一緒に使ってたパスモ。
おかーさんのと私の2つ。バッグに入れてこれからも大事に使って行くね。
おかーさんが大事に執着するほど、大切にしてくれたカシオの980円の時計。
私も一生大事に使うね。
おかーさんが好きだったアジフライ。
私はあまり好きじゃ無かったけど、青魚食べるためにこれからは、ちょこちょこ揚げずにフライパンで焼いて食べて行こうと思う。
おかーさんの写真をラミネートグッズにして「 ちえこ 窓開けろ!( おかーさんが死ぬ日に、弟から電話がかかって来たときに丁度、大声で話してたので、弟夫妻も元気だなと驚いていた ) 」「 ちえこ 掃除しろ! 」
この二つを、窓と壁に貼ろうと思ってる。
いつも、おかーさんが私の世話をしてくれていたから、かなりズボラになっちゃってるしね。
おかーさん。
おかーさんの 五目御飯が食べたいよ。
1年に1回、作ってくれるかどうかのごはんだったけど、かなり美味しくて好きだった。
いま凄い食べたいよ!!おかーさん!!
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