第8話 おかーさん、ごはん一緒に食べてくれないと、おなかすかないよ。

ここ数日、物忘れが多くなってきてる。

鍵閉めたっけ?と、少し歩いて戻って戸締り確かめてみたり。

日時がいつも以上に、合間になっていたり。


そう言えば、先日検索かけたとき。

> 母親の死

> 食欲不振

> 物忘れ

これも結構多いって言ってたし

もうしばらく、ココロとカラダのバランスを取って行くために、このままでいいかなって思う。


少し物忘れが多くなってきてるのは、あまりおかーさんの死を直接ココロで受けとめなくて済んでるのかなって思うし。

今月私の喘息治療で総合病院に行った時に、「 前回の喀血4回と血痰30回は、おかーさんの肺炎からの肺がんが見つかってのストレスで出たのかも知れないです」 と先生に伝えたら。

私の喘息の担当医の先生がおかーさんのガンの様子を聞かれたので「 大きさはステージⅣで、転移がステージⅡです。 もやっとした肺がんだったみたいで、1回目の抗がん剤治療で急変してしまいました 」


先生は「 もやっとしたガンには抗がん剤効かないんだけどね 」と、サラッと言われ。

私ココロが一気にパニックに。

でも、心の機微を驚きとかをあまり出さない教育や仕事をされてきてたので、その時は仕事の癖であとで考えようと喘息の報告に移りました。


もうずっと、頭の中は先生の「 もやっとしたガンには抗がん剤効かないんだけどね 」でグルグルです。

おかーさんの担当医の先生の後付けだけど、体調が悪くなり始めてから「 おかーさんのガンは。抗がん剤の効きにくいガンだったのかも知れません 」

その言葉が凄い、、、私の中で 気もちを幾重にも蓋をしないと、いまはめちゃくちゃになりそうで。


そして「 1回目の抗がん剤治療での死亡率 」これを、いまは検索する気持ちが全然消化出来てないので、

いまは、食欲不振と睡眠があまりできない状態を、自分の中でもう少し強くおかーさんの死と向き合えるようになるまで

自己防衛かも知れないけれど、自然に食欲が出て来るまで、この状態でいいのかも知れないと思ってる。



おかーさんの生姜焼き 食べたいよ。

おかーさんの焼きそば 食べたいよ。

おかーさんのすき焼き 食べたいよ。

おかーさんの焼いた鮭 食べたいよ。



おかーさん もっといろんなこと 話したかった。

もっといろんなところ 一緒に出掛けたかった。

おかーさんともっと一緒に 居たかった。


おかーさん

おかーさん

おかーさん


おかーさんの居た1階に行くと

「 おかーさん おはよう 」

「 おかーさんが死んで 大変だよ( 2階の私の私物を1回のおかーさんの住居スペースに移す ) 」

「 おかーさん居ないと おなかすかないよ 」

他愛ないこと いつものように

いつも以上に、 おかーさんの居た場所へ おかーさんの入院直前まで家に帰ってくるつもりで着ていた部屋着に おかーさんの名前で納めているお札に 話しかけちゃうよ。


それって、自分がおかーさんに死なれてみて初めてわかるけど

心の均衡を取るための 一種の通過儀礼なのかも知れないね。


おかーさん 死ぬなよ

いきなりだよ 早すぎるよ

線維化の数値出てなかったから、炎症が引けば、また家に帰って来てくれるんだと思ってた。


おかーさん 死ぬなよ

ごはん 食べれないよ

毎日一緒にごはん食べてたのに おかーさんが居ないと おなかが空かないよ。


なぜか こころの片隅で

おかーさんが 帰ってくる気がしてしょうがないんだ。

なぜだろう?


おかーさん お昼ごはん一緒に食べたいよ。




ちえこ

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