第3話 泣き崩れる私はもうダメだと思った
6時のアラームに反応し起き、一目散に手洗い場の鏡を見に行くと、髪が跳ねていて、面倒くさそうな表情をしつつ零す。
「やっぱりか……」
クシでときつつ髪を急いで整えて行く。
そして、鞄を持って着替えを済ませてコンビニに走っておにぎりを買っていく。
息を切らしつつ、鮭おにぎりとシーチキンマヨを手に取り、鞄の中の財布からお金を出し、大きな筆を降ろすような大胆さで会計口に置く。
「ふぅ……あと何分かな……まだ間に合う」
何気に毎朝こんな買い物をしては急いで学校へ向かっている。だいたい遅刻スレスレで着く。
「はぁはぁ、危なかった……」
今日も遅刻寸前で、心は大きく変われどこういう所は特に変わっていないらしい。
席に着くと朝礼が始まり、その後授業が始まる。
特に味気ない景色の中で黙々とシャーペンをノートに走らせる。
「……」
途中何度か視界がボヤけ、それを抑える為に歯を食いしばりながら文字を書いていたのだろう、今日はいつもより簡単にシャー芯がノートの上で折れる。
ーーポキッ
「んんっ!……ぐぐ……もう!」
不意に1滴涙が零れるも拭いて、2滴目を流さないように抑え込む。
隣の席の女子には不思議な目で見られているが、目の前でいっぱいのせいか全く気付かなかった。
休み時間になり、意味の無い御手洗いに行くために教室を出た。
「柚葉、昨日はごめん……」
「え……彩乃……」
この間あまりに急な彩乃の言葉の衝撃で私の心の時は止まった。何も考えずに立ち止まって言葉の続きを待っていた、何故か期待を半分以上胸に込めて……
「ショックだったよね……凄く心配だった……」
「あ……あ……」
安心の涙がもう既に溢れそうになっている。
「安心して……柚葉とは友達としてこれからも一緒にいるから……」
「え……友だち……」
安心で溢れそうだった涙は唐突に悲しいものに変わって行き
「大丈夫……?」
「うあああああんんんんん!……ううっ……うああああああああん!」
水溜が崩落して、水が溢れ出るように、止まる事を知らず涙を流し、私は久しぶりに子どものように泣き叫んだ。
「え…だ…大丈」
「どうしたの!?君が泣かせたの!?」
「い、いえ……大丈夫?」
「うああああああああああんんん!」
何事もなかったかの様に心配掛ける彩乃に冷たさすら感じた、死んでやりたくなった。
その思いを私はただただ泣き叫ぶ事で表現している。
「大丈夫!?一旦保健室に連れて行こっか……」
「私が連れて行きます!」
「ありがとう!」
私は知らない人の肩を借り、保健室に行ったが、あの出来事があった後では、彩乃の肩を借りるよりは100倍マシに思えた。
そして、耐えようと頑張っても、耐えられず床に泣き崩れた……冷静に考えれば恥ずかしくて出来ない事を、私は、もうやってしまっている。
いよいよ私はきっともうダメなんだろう……そう思う。
咲いて香って とうま @tanosimebayosi2424
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