第2話 断ち切るべきモノは辛くても関係ない
私の喉には食事があまり通らなかった……
輝いてた景色は枯れ、残るのは胸に残る焼けた様な感覚だけ。
消したいと思えど消すことの出来ないものだと辛い中痛感している。
でも、今からは私1人の世界……
気持ちを塗り替えて自分の為に生きなくちゃいけない
分かってても前が見えなきゃ当然……
「嫌もうウジウジしてても仕方ない!もう過ぎたことは過ぎたこと!もう充分感傷には浸ったでしょ私!頑張れ私!これからは私1人なんだぞ!」
もうすっかり夜となった独り食卓の前、引き攣りきった頬を解しつつ、分からせるように両手で叩き、大声で叫び自分に言い聞かせる。きっと周りが見れば奇怪だろう、でもそんな事今はどうでも良かった、とにかく無理矢理にでも吹っ切れたかった、新たなスタートを切るために。
「よしよし!明日学校だろ!頑張るぞ私!頑張れ私!人生そんなもんだ!出会いなんていつでも待ってる!」
心の中で『あの子の代わりとか想像も浮かばない』『出会いなんていつでも待ってるなんてなんの保証もないじゃないか』と反論が浮かんでは来るもそれらを何とか押し込めるためにも私は更に何度も頬を叩いた。
どんなに辛くても、重くても何も見えなくても、浮かばなくても、吹っ切れるしかない、一応私には卒業する予定の大学があるのだから!こんなことで、今までの努力をあの子との時間が、そこで生まれたやる気が繋いでくれたこのバトンを、この辛さで落としても何も生まれない所かむしろ失うモノが多くなる……もう、一心不乱にでも頑張るしかないんだ。
夕飯を無理矢理口にかきこんで、食事を終わらせると、一心不乱に涙を煌めかせお風呂に向かった。
「あー!スッキリする!ふぅ」
悲しみを掻き消そうと無理矢理大袈裟に動き大袈裟に声を荒らげる。
そうすると、何となく緩和する様な気がした。
「もー!ほんとないわ!あのクソ女!こんなに私を痛め付けて!はー!もうほんとありえないわぁ……はぁ……」
「やっぱりあの子の悪口を言うのは難しいな……ズルいよ……クソ女……」
私はお風呂から出ると、それでも消えない寂寥感を胸にベッドに向かい、沈む様に飛び込む。
「はぁ……なんで……」
油断すれば涙が溢れてくる。
私はもう、とりあえず力を抜いて眠る。
『明日には消えてたら良いな、この気持ち……』
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