第5話:初めての体験
優希は久しぶりに幼稚園の時の同級生と会うことになり、ワクワクしていた。
なぜなら、彼女の幼稚園は幼稚園から高校まで系列校だったが、彼女は家庭の事情もあり、受験することが出来なかった。
幼稚園を卒業してから同じ学校に入学してきた子は男の子1人だけで、あとの子たちは系列校である小学校に進学したのだった。そして、彼女は生まれて初めて家族以外の人と旅行に行くことになる。そのため、緊張している反面嬉しかったのだ。
そして、彼女が楽しみにしていたのも今まで学校生活に疲れていたこともあるだろう。小学校に入ってからどこにも行かずに頑張っていた。そして、彼女たちと会うことが彼女にとっては昔に忘れたものを取りに帰ろうとしているのだろう。
そして、旅行当日になり、みんなと集合場所に向かった。今回はお友達のお父さんが運転して目的地に連れて行ってくれることになっていて、今から始まる旅行に胸を高鳴らせていた。
その頃、他の兄弟たちはいつもと変わらない時間を過ごしていた。ただ、他の兄弟にも同じような時間を過ごして欲しいと思った父親は子供たちを連れ出して日帰りでバーベキューを敢行したのだった。
そのことを知らされた子供たちは盛り上がっていた。しかも男3人で過ごせるのだから小学生の良い思い出を作ることが出来て、お互いに今までうまくいっていなかった距離を縮める事が出来るようになる。
そして、父親と健太朗と慎太朗で都内の自宅を出発し、目的地である高原のバーベキュー場に向かった。車内ではたわいもない話しで盛り上がり、楽しい時間が流れていた。
バーベキュー場に着くとすでに何組かの家族がバーベキューを楽しんでいて、子供たちは胸が高鳴っていた。
そして、車から大量の食材とクーラーボックスを持って指示されたエリアに向かって歩いて行った。その途中でいつもたくさんの人が住んでいて、たくさんの人が行き来している風景を見ていたため、人が少ない場所に来ると彼らはどこか落ち着かなかったようだった。
そして、バーベキューの準備をしているときも子供たちの目は輝いていて、バーベキューをするためにはこれだけ準備に時間がかかるのかと思っていた。そして、網でお肉を焼いているときも彼らの目がキラキラしていて、父親は今日来て良かったと改めて胸をなでおろした。バーベキューが終わり、家に帰ると妹たちが「待っていました!」といわんばかりに駆け寄ってきた。それほど離れていたのではなかったが、どこか自分たちを頼ってくれているのだな・・・と思っていた。
そして、翌日には優希も友達との旅行から帰っていて水入らずの時間を過ごすことが出来ていた。
子供たちに初めての体験をさせてあげることが出来てお互いに満足だった。これからも時間が取れるときにはさまざまなところに出向いてちょっとずついろいろなことを体験させてあげたいと思った。
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