第112話シャーリーは俺の妻なのだと
その前に早く見付けなければ。
そう思えば思うほど焦ってしまう。
シャーリーが俺の所に嫁ぐまでの経緯は聞いているし道中暗殺されかけた事も知っている。
だからこそ、俺がシャーリーを不安にさせてどうするのだ。
自分の不甲斐なさ、注意力の無さ、手を離し目を離した愚かさに腹が立つ。
そして目撃情報があった場所まで来たのだが肝心のシャーリーの姿が見えない。
まるで妖精の様な日本人離れした美しい容姿に金色に輝く髪を持っているシャーリーなら近くにいた場合すぐに目に入るであろうし、軽い話題や野次馬になっていてもおかしくない。
しかしシャーリーの姿やその他居そうな雰囲気を感じない為目撃情報そのものがデマという可能性も考えられる。
もしここから移動した場合俺と鉢合わせするはずであるからであるし、鉢合わせする様に移動してきたつもりである。
コレはいよいよイーオーンの外まで詮索範囲を広げなくてはいけなくなったかもしれないと思い始めたその時、俺に強い直感が降りて来る。
それはシャーリーが二人の男性に絡まれており、物凄く怖くて、そして俺を強く求めているというものであった。
他人が聞けばただの自惚れであると言うのかも知れない。
もし俺の知り合いがそんな事を言い始めたのならば、俺だって自意識過剰だろと思ってしまうであろう。
しかしながらそんなレベルの話では無く確かにそこに居るのだと、俺を強く求めていると確信を持って言えるのだから不思議なものである。
そして俺は自分の直感を信じて走り出すのだが、更にシャーリーの強い感情と想いが俺の中へと流れ出す。
そして俺は遂に見つける。
男性二人に絡まれているシャーリーの姿を。
そしてシャーリーの泣いている光景を。
「おいおい、何怖がっちゃってんの?」
「俺達良い人。優しい人だよ?……えーと、フレンドリー、フレンドリー、ウィーアーフレンドリー」
「なら何故シャーリーが、俺の妻が泣いている?」
俺は怒りの感情を隠そうともせず男性二人を睨みつけるとシャルロットを俺の胸へと引き寄せ、右手で抱き寄せ、シャーリーは俺の物であるのだと言う事を言葉と態度で強く強調する。
シャーリーは俺の妻なのだと。
「何お兄さん?ロリコンなの?キミもこんなおじさん手前のお兄さんより俺らみたいな若くてイケイケな方が良いっしょ?」
「妻とか言っちゃってますけど、流石に冗談きついっすわ。そんな分かりやすい嘘なんかついて俺達を騙せるとでも思ったのかな?
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