第104話決戦前夜の頂上決戦 その2
「レベル99……だと?」
これは不味いと俺は即時にスキルを展開させる。
【スキル:勇者の一撃が発動しました】
【スキル:聖闘気が発動しました】
【スキル:龍闘気が発動しました】
【スキル:魔闘気が発動しました】
【スキル:魔戦士の最後の一撃が発動しました】
【スキル:勇者の一撃が重ねがけで発動しました】
【スキル:空前絶後が発動しました】
【スキル:覇者の一撃が発動しました】
【スキル:核熱属性付与が発動しました】
【スキル:絶対破壊が発動しました】
【スキル:魔術結界無効が発動しました】
【スキル:アルティメットフォースが発動しました】
冷や汗を流しながら、俺は服部雅を睨みつける。
おいおい、レベル99っつったら魔王の領域じゃねえーか。
姫さんと大魔法使いがいなくちゃ……下手すればMP全快状態でも10分もたねえぞ。
「悪いが、最初から全力でいかせてもらう」
「テメエ……なんていう数の攻性忍術を発動させやがったんだ」
服部雅の額から汗が一筋流れた。
忍者の方式ってのは俺の方式よりもスキル展開数は少ない目なのか?
ひょっとすると……あの表情からすると、レベル差があるとは言え、俺にもワンチャンスあるかもしれねえな。
だが、それでもステータス差は絶望的なはずだ。
相手のスキル所持がどうなっているのかはわからねえが、それでもまともにやっては勝ち目はないだろう。
「まずは小手調べといくぜ?」
俺の言葉と同時に、服部雅がこちらに飛びかかってきた。
大上段から打ち下ろされる小太刀。
迎撃せんと俺はエクスカリバーを頭上に構えて、そのまま――
――俺はエクスカリバーを……投げ捨てた。
どうせ、まともにやっても勝てないなら……まともに戦闘をしなければ良いだけだ。
つまり、俺は相手の隙を作るためだけに武器を投げ捨てた訳だ。
正直一か八かの戦法ではある。失敗すれば目も当てられない。
だが――運命の女神は俺に微笑んだ。
服部雅の視線は一瞬だけ俺が投げ捨てたエクスカリバーを追うことになり、そこに刹那の隙が生まれる。
「貰ったっ!」
大上段から振り下ろされる小太刀をサイドステップで避け、俺は右アッパーを上空に放った。
――クロスカウンター。
綺麗に決まった。
上空に打ち上げられる服部雅。
その高さは100メートルを優に超えているだろうか。
――さあ、ここからだ。
相手はレベル99の人外……どこまでできるかわからんが、せめて一矢は報いてやる……。
そうして俺はバックステップで距離を取り、トールハンマーの練成を始めた。
奇襲が功を奏してクリティカルで打撃が決まり、脳震盪で頭がグラングランの状態の今しか、格上相手に有効な一撃を加えることは難しい。
そして、格上とは言え、勇者のリーサルウェポンであるこの魔法をモロに受ければタダじゃすまねえ。
「ここが最初で最後のチャンスだっ!」
空から落ちてきた服部雅がドサリと地面に激突すると同時、俺は体内の魔力の練成を終えた。
そのまま右手を前方の忍者に向ける。
「極大魔法――トールハン……」
と、そこで俺は違和感に気がついた。
地面に激突した服部雅はその場から微動だにしない。
不審に思った俺はゆっくりと忍者に近づいていく。
慎重に一歩一歩近づき、そして状況を正確に把握した俺はその場でポカンと口を開いた。
「気絶してる……だと?」
白目を剥いて、ピクピクと痙攣する忍者を確認し、俺は呆然とその場に立ち尽くした。
「……ワンパンで……決着……着いちゃったの……?」
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