第十七節:虹騎士団整備開始

時節場所は変わりタランチュラ側


「おい、デザイナーども! スーパーベイビープランの過程でB・C(バイオロジカル・カーキュレーター)の新種ができたというのは本当か?」と全身刺青男サイガは聞いた。


 ヨレヨレの白衣を着込んだ主任デザイナーが答えを返す「本当でございます、ただ新種ではなく変種というのが正しいのかと」といった。


「どちらでもいい戦力になるなら!」といって続ける。


「それは量産できるのか? どれくらいの時間で変種になる?」と一気に聞いた。


「量産は可能でございますが、時間が少々かかります。普通のB・C種よりは一年余分に見ていただく必要が出てきます」と答えた。


「三年か長いな、まあいい、直ぐに七個大隊規模三百五十体で量産に入れ!」とサイガは命令する。


「機材のほうはあるのですか?」とメガネがずり落ちそうな主任デザイナーが聞いた。


「最初のヤツは俺の機体に括りつけておけ! 試す」といったのである。


 L(ラージ)-FPT(フライングパワートランスポーター)-TMS(母艦)型数隻を指さし「あの中に入っている。直ぐ降ろすから早速くくりつけてくれ」といい切る。


 青い発火灯を右手で、円を描く様に振り回した。


 暗闇に青い円が現れ、〇を夜に描いた。


 L-FPT-TMS型の一番艦では「サインを確認」、「格納庫に横付けしろ、ゆっくり降ろしていけ」という会話がなされていた。


 その場にL-FPT-TMS型は七隻いた、一番艦から順次降りていき三十分後には全艦着地し格納庫へ横付けできていた。


 そのままユーレイ・セブンこと幽霊七型を揚陸していく。


 三百五十機の幽霊七型は各デッキに配置されていった。


 正確には何もない空間に、デッキごと配置されていったというのが正しかろう。


 一格納庫辺り五十機の、明るい灰色の機体色の幽霊七型が並んだ。


 一番格納庫には、大将機一機と四十九分が並んでいた。


 その眺めは壮観の一言につきた、これだけの数が並ぶのは久しぶりだった。


 それと予備機が、五機出る予定であった。


 艦が足りないから四十八機の大隊が七個大隊分、他に一個中隊分ができるが

中隊用の艦は無いので各艦に分散配置するしかなかった。


 サイガの元に中隊が、残っている腕利きが集まる予定だった。


 幽霊七型残りの七個大隊は全て新兵ではあった、慣熟までに通常の倍以上の時間を要するのである。


 幽霊七型であるため、慣れるまでに今までより時間がかかるのは仕方がなかった。


 虹と違いやはり、上級機であるのであった。


 サイガそのものでも、直ぐに慣れるというわけにはいかなかったのだ。


 新兵が倍以上時間がかかるのも、うなづけたのである。


 先ほどの主任デザイナーが、一番格納庫にFPT(フローティングパワートロリー)でB・C種を持ち込んだ。


 そして直ぐに設置に移った。


 そしてどこからともなくメカニックの集団が現れ、装甲上に塗料を塗布し始めた。


 赤・橙・黄・緑・青・藍・紫にそれぞれのデッキに指定された番号に従い塗ってるようであった。


 一番格納庫では、ほぼ赤になっていた。


 サイガの機体は漆黒色で予備機も漆黒であった。


 角飾りも激しく他の機体にない部分で色は漆黒であるが鶏冠とさかのように突き出していた。


 ローブを着た脚付きの幽霊のような外観と相まって、かなり異様だった。


 武器は両刃の剣だったそれも四本装備されていた。


 魔導光剣も二本づつ持っているので合計六本あるといっても差し支えはなかった。


 盾は少し厚めでヒーターシールドに見えた、中型の盾であった。


 盾には予備があり、腰の裏に付いていた。


 他に幽霊用の光学迷彩を持っているということが、いままでの虹とは違うところだった。


 他に盾の中にナイフを四本ほど持っており、戦闘以外にも使えるようになっていた。


 流石に万能とはいえないが、必要十分な装備だった。


 これまでの虹騎士団とは違う、といえるだけのものはあった。


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