第七節:剣聖候補生参戦と幽霊MMのフレーム

剣聖ソード・ホーリーたるフィールス・イザリアットより聞き及んでおります。貴方が青い閃光であると、そして本来ならば、ナイツオブナイツの一位に居てもおかしくない方であると。ですが運命なのでしょうね、貴方はギルドナイツを選んでおり今こちらでタランチュラと戦をしておられる――。その戦列に、私も加えていただけないでしょうか? 本来私たちは国に付くことはありません、ですがタランチュラ戦は別です。タランチュラ戦であるならば一時期逗留することは、ままある話なのです。どうかお願いしたい」といわれてしまったわけであり断る理由も特になかったので、「私は構いません。戦力が増えるのは心強い限りです」と答えてしまっていた。


「客間を用意させますので、しばしお待ちください」というとノイン技術准将に即通信を入れた。


「ノイン忙しいところすまないが客間は後何室空いている?」と私はいった。


「閣下、今は六室空いております。どなたか増えるのですか?」と返答がやってきた。


座天使スローンズ第三位のセリア・ヴィークレットさんと、パートナーのロシエ・イマリットさんが新たに参戦される。それに従って二部屋必要になるんだが行けるか?」と私がいう。


「問題ありません、今カギの調整をしていましたので、更に八部屋までは増えることになります」と返答が返ってきた。


「誰か人をよこしてくれないか? デザイナーズマンションの上まで案内が要るだろう?」と私が聞くと、「わかりました、私が行きましょう。丁度暇になりましたので」といって通信は切れたのであった。


「もう数分したらノイン技術准将が来ますので、基地西側の案内がてら部屋まで送ってもらいましょう」と私がいったのである。


 そして数分でノインが到着したのであった。


「応接でしたか、こちらを使うのは珍しいですな」とノインはいったのであった。


「今来たのが、ノイン技術准将です。早速案内をさせましょう。ノイン任せた、気になることがあるので執務室に戻る」と私はいって三人と別れたのであった。


 執務室に戻ると、「お早いお帰りで」とクララ嬢がいった。


「何か気になることでもあるんですか?」とこちらの意図を半分ほど読んでいたらしい。


「さっきの幽霊ユーレイ出現位置はつかめているか?」と私が聞く。


「丁度こちらのレーダーの圏外の辺りでしたね、レーダー解析班からは連絡が上がってきませんでしたので……」とクララ嬢がいった。


「こちらの外周を捕まえかけられているのか?」とさらに聞く。


「どうでしょう? 偶然かもしれませんが? 遺跡探査中の第二大隊が狙われたのですよね? 幽霊の残骸はどうしました?」と逆に質問が降ってきた。


「まだそのままだと思うが。三番大隊に拾ってきてもらうか?」と私は聞いた。


「それがよいと思われます。連絡しておきますね」とクララ嬢がいった。


 その後、三番大隊は幽霊MMのすべての部品を持ち帰ったのであった。


 そして、幽霊をくみ上げるべく破損修理解析台のもとに持ち込まれ、ノイン技術准将指示のもと組み上げ作業が始まるのであった。


「これで幽霊について何かわかるといいんだが」と私がいった。


「そういえば白騎士様は大隊編成で来られているので、遊撃か支援かに当てさせてもらうとしまして、座天使のセリアさんはどこの所属にしますか?」といわれたので少し考えて「んんー。指令大隊に編入でいいんではないかな指揮小隊に入れて、指揮小隊自体の数を引き上げれば指令大隊にひずみは出ないだろう?」といった。


「まぁ確かにそこが無難どころですね。階級はどうされますか?」とさらに難しい注文が来た。


 さらに考えねばならなくなったが「少佐でどうだ? それならあまり文句は出まい」と私はいったのであった。


「難しいですがそれが無難ですね」とクララ嬢がいって、「そのように伝えます、総長はヨナ様にこの件お伝えしてオニクスかオーロラを出して頂けるようにお伝えください」と追加でいってくれたので。


 助かったかなとも思ったのであった。




 そこへ師匠がやってきた。


「ナイツ・オブ・スローンズとは穏やかじゃねえな、何かあったのか?」とのことであった。


 確かに黒騎士の隣の隣である。


 黒騎士の隣は二番に白騎士であるのでまだわかるらしいが三番に入ったのがナイツ・オブ・スローンズであったので何か起きたのか? ということで事情を聴きに来たらしかった。


「今日偶々、ウチの二番隊が助けられたんですよ。で会ってみたくなりまして基地に招待したら、あっさりと乗ってくださいまして。で話を聞くうちに参戦したいとおっしゃったので、指揮小隊の中に入れてみようかと思っていますが不味かったですかね?」と逆に聞くことになった。


「特にそういう意味なら不味くは無いんだが、ナイツ・オブ・スローンズねぇ……。問題は特にないんじゃないかな? 指揮小隊なら。剣聖ソード・ホーリーを除くと七機の騎士の中の騎士ナイツ・オブ・ナイツ、九機の騎士の熾天使ナイツ・オブ・セラフィム、十一機の騎士の智天使ナイツ・オブ・ケルビム、十三機の騎士の座天使ナイツ・オブ・スローンズしかもその内の第三位ってことはだ、第二十四位ってことになるわけだからなあまり派手な動きはしないほうがいいと思うがな、彼らは彼らの中での連絡は常に取り合えるらしいし、という事はしかし、もう筒抜けてんじゃねえかなアスカの腕は……」といわれたのであった。



「おおむねそれであってますよ。結婚式の時には剣聖の参列もあって居られましたし。私の腕のほうの内容も第一階級には伝わっているようですね」というのがやっとだった。



「もうバレてるのかしゃあねえな、それは」というとくるりと振り向かれ右手をあげて出ていかれたのであった。



 そしてヨナ様にまた私信をかけるのである。


「ヨナ様におかれましては、お忙しいところ申し訳ないのですが、二人ほどさらに参戦された方がいらっしゃいますので、できればギルド証オニクスかオーロラビジョンステータスの手配をお願いしたいのですが」と一気に喋る。


「それは、白騎士では無くてかえ?」という返答がやってきた。


「はい、本日ウチの二番隊が騎士の座天使の第三位の方に助けられまして、そのつながりで基地に招待したところ参戦したいと申されましたので指揮小隊に変則的ですが入れてみようかと思っております」といったのである。


 すると「オーロラを出そう第一階級の方にオニクスは出せん、二枚でいいんじゃな、でお名前は何とおっしゃるのじゃ?」と聞かれた。


「座天使第三位のセリア・ヴィークレットさんとパートナーのロシエ・イマリットさんです。セリアさんの階級を少佐としてもらっております」と答えるに至ったのである。


「それならば期間はとりあえず五年で手配するぞい、短くするのは自由じゃからの」とヨナ様はいったのであった。




 とそこへ、ノインから通信が入ってきた「幽霊のフレームが組みあがりました、抜けてる個所はありますが、フレームはサーバルのようですね、それを改造しているようです」という事だった。


 サーバルといえばスミロクロスよりもツーランク下で、ライオンよりもワンランク上になるかならないかといったところの様だった。


 通信に返答する「今回バレたのがわかったら、内容はまた変更するんじゃないか? 逆に言えば定数を稼ぐのに時間がかかるともいうことだが」というと。


「流石、閣下でございますな、解析を進めて内容までわかるところまで来たらもう一度お知らせします」といって通信は切れた。



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