第十一節:結婚式当日:サリーネ式

 当日式場前は、それなりに整然と待つヒトビトの待つ姿が見られた。


 皆、各国を代表してきていたりするから騒ぐに騒げないのである。


 さらにはそのガードたちの姿である。


 各国のロイヤルガードが揃い踏みする、そんな光景が見られたのであった。




 最も、花婿である私や花嫁であるアスカ嬢には、そんな暇は許されなかった。


 サリーネ式は、地球で言う教会式に近い形を取っているのである。


 そして、参列者の入場が始まった。


 入場したものは順序だてて、綺麗に着席していった。


 こちら花婿の側の参列者は主にギルド関係か部隊関係者、侯爵の時仲が良かった者やルディアス皇国の関係者だったりした。剣聖にも参列していただけた、ナイツギルドの総長であるし、二番に比肩すると言われているものだから仕方がなかったようである。


 そしてクララ嬢と黒騎士こと師匠とエリー嬢、白い閃光とサヨリ嬢。


 部隊からも五人だけだが、大隊長クラスが列席した。


 色とりどりだったのは、アスカ嬢の関係者である。


 斑鳩国国王陛下やアラ・ワニ国の関係者である父親、そしてエルフ国家エルフィニア国の関係者たちである。


 そして冒険者ギルド時代のお仲間たちである。


 中央のバージンロードをはさんで聖壇に向かって右側に新郎の関係者、左側に新婦の関係者が着席していったのである。


 そして前奏が奏でられ始めた、私の出番である正装である黒のタキシードに身を包み、ウエディングマーチとともに、新郎こと私が入場であった。

 立証人であるヨナ・ヴァシュマール三世陛下とともに、前方入り口から入場し、聖壇の前で新婦を待つのである。


 そして新婦入場である。


 新婦は母親であるレスト・アラ・ニス女王陛下と左腕を組み、後方入り口から入場、バージンロードを聖壇に向かって進むのである。


 参列者は自席で起立し、新郎新婦のほうを向いて迎えるのである。


 聖壇前で、新婦は母の腕をほどき、新郎とともに、誠主司祭様の前に進むのであった。



 讃美歌合唱が始まった、一同起立して、祝福の讃美歌を合唱するのである、この時ばかりはドキッとしたものを感じたが、音痴はいなかったようであった。


 そして聖書朗読が始まった。


 聖書中の一節を誠主司祭様が朗読するのである。



 祈祷が続く、誠主司祭様が祈りを捧げ、一同は黙祷するのだ。


 簡易ながら、誠主司祭様がお話を行った。


 そして聖書朗読が始まった、誠主司祭様が愛に関する教えを読み上げる。


 誓約の儀式が始まるのである。


 誠主司祭様の問いかけによって、新郎新婦は神と衆目の前で結婚を誓いを行うのである。


 参列者は一同起立して、証人として見守るのだ。


 粛々しゅくしゅくと式は進行していった。



 指輪交換の儀が始まる前にアスカ嬢がブーケと手袋を証人こと女王陛下に預けた。


 そして、目に見える誓いのしるしとして、指輪を交換するのだ。


 誠主司祭によって祝福された指輪を、私がアスカ嬢の指にはめ、次にアスカ嬢が私の指にはめたのであった。


(指輪もあらかじめ作って置いた奴である)


 そして祈祷が始まった。


 誠主司祭様が二人の手を合わせ、その上に自分の手を置いて神に祈るのである。



 宣言の時間がやってきた。


 二人の手をとき、参列者のほうを向かせ、二人の結婚が成立したことを宣言したのであった。


 そして二度目の讃美歌が合唱された。


 そして祝祷が行われた。


 誠主司祭様により、一同に祝福が与えられるのである。


 この世界では、実際に効果を持つことから、神の祝祷と言われたりするのであった。


 そして退場の前に結婚証明書へのサインを行ったのである。


 そして私とアスカ嬢は腕を組み、バージンロードを通って後方出口から退場するのである。


 そのあと証人が続き、参列者一同は起立して見送るのである




 その後、私とアスカ嬢はそれぞれお色直しの部屋へ瞬間移動させられたのである。


 当然、証人と列席者の皆さまも、各披露宴の会場に瞬間移動させられているはずである。



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