第十二節:披露宴
披露宴の席には、皆すでに着席していた。
一同静かであり、披露宴の開始は私とアスカ嬢の入場を待っていた様であった。
グランシスディア流の凝った演出を、取り入れることにしてあったので、会場は静かに盛り上がりだしていた。
今のグランシスディア流ことゼロ流は魔導式オブジェクトカメラをいくつも使い入場から着席のコースまでに神殿様式の淡い透けた柱を壮観に並べてから入場をするのが主流であった。
と言っても実際にオブジェクトを配置する訳ではなく、魔導式のオブジェクト設置魔法ではあるので安全であるのであった。
そして新郎新婦が歩く箇所に魔導で白き綿雲を敷くのが主流であったのである。
披露宴の始まりでもあるので、敢えて曲は流さず、笑顔で入場したのであった。
最近の主流はグランシスディア・ゼロでは司会者が新郎新婦を紹介することになっているのであった。
なので任せてあった。
そして主賓スピーチである。これもまた証人と二人で決めてあったためすっと入れたのである。
新郎側私側の主賓スピーチはヨナ・ヴァシュマール三世陛下であった。
新婦側アスカ嬢側主賓スピーチはレスト・アラ・ニス女王陛下である。
この際に気を付けないといけないことは新郎新婦は起立し、主賓の方にすすめられてから着席するということであった。
それは二人とも無事執り行えた。
乾杯発声者挨拶が始まった。
乾杯発声者はギルド最高評議長、ヴェルーガ・カイマン・ヴィードリー侯爵であった。
竜種ではあるが、この方にお願いした理由はギルドの縁ということであったのである。
そして皆、乾杯ということになり無事乾杯を終えたのであった。
そしてケーキがやってきた、ケーキは少し大きめではあるがイミテーションではなく本物で生のグランシスディア流になっていた。
果肉ゴロゴロのフルーツケーキであったのである。
果肉に傷を付けずに種のみを吹き飛ばす魔導があるので、そういうモノで食べれない部分を取り除いてある物であった。
そして二人でケーキ入刀を行った。
会場からは割れんばかりの拍手と賛辞が贈られたのであった。
こたびの調理師はギルドの提供ではあるが、料理そのものはグランシスディア・ゼロ流になっており盛況であった。
そして歓談も同時に、行われて行った。
順調で、一つの詰まりもないとはこのことである。
そしてお色直しの時間が来た、最初はグランシスディア風の洋装だったので次は
その間にも二人のプロフィールムービーを流してもらうのを忘れなかった
そして再入場だが気を付けねばならないのはゴンドラの様なものを使わずに入る方法で二人で相談した結果、リキシャと呼ばれる斑鳩の風物詩を取り入れ入場することにしたのであった。
これもまた、新しいと好評であった事は記しておかねばならない。
ゴンドラにすると各国首脳陣の上からになり、失礼に値するということからそれを避け、水平に移動させることで工夫を図ったものであった。
そして各テーブルを回りながら賛辞をいただき謝辞を述べていった。
敢えて余興は無くしシンプルにすることに努めた、各国の首脳陣に値するため時間をかけるというのが
花嫁から親に宛てた手紙を読むのである。
両親レスト・アラ・ニス女王陛下とレスト・アラ・ニス公爵は下座に並んで立ち、私がマイクを持ってアスカ嬢の喋りやすい位置に向けたのであった。
その流れで両親のところまで移動し、グランシスディア・ゼロ近辺にしか咲かないと言われる群青色の薔薇の花束を渡し両親に感謝の気持ちを伝えたのでした。
そして両家代表挨拶となったが、私には家族が一人も居ないのでここでも、ヨナ様にお願いしてあったのである。
本来は新郎の父があいさつしなければならないが私の父は戦火で亡くなっている旨を伝えた上でヨナ・ヴァシュマール三世陛下が代役を務めたのであった。
特に問題なく、両家代表挨拶は終了した。
そして私からの謝辞も、言葉巧みに上手く時間を早めに切り上げるようにしかしながら最高の謝辞となる様に行ったため失礼には当たらず。
問題なく終わったのである。
新郎新婦退場が行われた。
私とアスカ嬢が部屋から出て行き、お見送りの作法に則って、お見送りの準備をする事となった。
今回は会場側が、エンディングムービーを用意してくださったのでそれに甘えることにした。
グライア・シュトゥーム州知事が用意してくださったのである。
そして会場を出てすぐの場所に私とアスカ嬢とヨナ・ヴァシュマール三世閣下とレスト・アラ・ニス女王陛下と公爵が並び、一人ひとりにお礼を述べながらお見送りをしたのであった。
そして会場の扉を開けると同時にそれぞれの国に直接転移門を開いて飛ぶことになり、瞬間で自らの居城に帰れるのである。
最後の一人を、お見送り終わると、ヨナ様も、レスト夫妻もゲートに入って行ったのである。
そして、ゲートを閉じると。
「始まりますね、これからもよろしくお願いします」とアスカ嬢から言われたので、「こちらこそ、よろしくお願いします」と声をかけたのであった。
我々も帰るかと言って、貸衣装などでは無いので二人して再度扉を開け、こちらに向かって扉開けたリムジンとガーディアン四名の待つところへ降りて行ったのである。
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