第二節:堅い口と新たな装備
流石、口が堅いというか何も喋らない、魂さえここにあるのか? と言った状態だったのである。
しかし、こいつらの口を割らせねば、機動歩兵戦闘力を投入した意味が薄れてしまう。
タランチュラとはかくも不思議な者たちである、ということが徐々に分ってきたわけではある。
今まで他国で捕らえられても一切口を割らなかった、というのは伊達ではないらしい。
しかし公算無くして捕まえたわけではない。
取り合えず一週間飯抜きを実施する。
水すら出してやら無い。
その間、四十六時中監視の手は緩めないことにしたのである。
音すら出さず、風の流れも出さず、テレパシーの様な術も使わずにどうやってコミュニケーションをとるのか? そこに重点を置いて監視してもらう。
当然目張りが貼ってあるので、一独房ごとに何も見えないのではある。その間にも、一日一回の二時間ペースで一人づつ尋問はキツメにかけて行く。
それでも吐かなかった。
その間に、解析も進んではいた。術具や道具の解析である。
術具や道具は、暗黒魔法関係のモノであることが解かっていった。
さすがに悪魔宝石については資料が少なすぎて、解析は一向に進んでない訳だが。悪魔宝石の一番小さいものは厳重に封印して、魔導士ギルドへ送って解析に回すことにした。
それの方が、確実性が高いからであった。
究極唱がかけてあることは、味方しかもガーディアンズと隊長格以外には、話していない。
情報漏洩を防ぐためである。
アンチマジックシェルが、常同でかかって居ることは味方全てには伝えてある。
その間にも幽霊騎士についての警戒は怠らない訳である。
確実に、厳戒態勢だと言えた。
一週間で吐かなかったため、食料・水抜きを二週間に延長することにした。
その間に、吐くなら水は少し与えるとは言っておいた。
専門の刑務官が執行するのでその辺りも大丈夫だとは思えたが、刑務官には精神魔法の妨害指輪を渡してあり常に装着する様に伝えてある。
因みにこの指輪を装着していれば、視線誘導の魔眼辺りにも対抗できるのである。
刑務官には、一組三人以上でことに当たる様にも通達してあるので。
逃げ出したり、と言うことは不可能に思えた。
流石に一ヵ月も飯と水を抜くと喋りだす者が現れた、その間に幽霊騎士の侵入や悪魔契約騎士や暗黒騎士の襲来は無かったからでもあり、見捨てられたという絶望感があったモノと見える。
喋ったからって罪は消えない訳だが。
内容自体は精査されて、複数の者が同じことを言っているようなら信用の度合いを少しずつ上げていくといったように慎重に行われた。
これにより灰月の現象が起こったときに戦力がそこそこに増えていたことが解かった。
灰月とはやはり超巨大ゲートであったらしい。
しかしどこから戦力など沸くというのかを尋ねると、どの者も沈黙することからまだ飯は抜く必要があるという結論に至った。
こちらはその間に、第二派襲来に向けての対応策や固定装備の新調等を、行って居たわけである。エリー嬢の事は極秘であるが、ディシマイカル侯爵より経過順調という報が、あったのみであるが信じることにした。
これは師匠にも伝えてある。
悪魔騎士の突然の出現に備えセキュリティーがらみも一段上のものに変わった、上等な部類である。
他に暗黒騎士が脱ぎ捨ててあった、風景に溶け込むMM用マントも回収し構造分析をかけウチでも作れるか、可能ならウチで作って対レーザーコーティングや動いても問題ないような作りに書き換える設計を行った。
これによりウチでもシュレイディアやシルヴェント蒼穹やアラワシⅢが、稼働光速行動しながら光学迷彩を被れるようになっていったのであった。
しかも半鎧形状にしたため各機で異なるがそれをうまく扱うことで実弾やグレネイド類に対しても有効な、半透明の外装装甲の外側につける外部装甲となったのである。
しかもこの半透明な外部装甲は、ソコソコの厚みがあり、光学迷彩を纏えるのであった。
また
詰まり、二機のAFをばらし際限のない所まで分解し調査に当て、もう一機のAFを完全復元修理しギルド支部隊で使えるように組上げたのである。
空間ゲートについては封印封鎖した。MAFのほうも、使えるように仕組んでみたわけではある。
かなり有効に拠点防衛にも仕様できる、ということが解かったのであった。
要員が足りないので、ギルドに追加で拠点防衛要員を、AFとMAFの必要人員を割り出して、大至急人員を確保して貰うようにお願いした。
この段階でグランシスディア・ゼロが狙われている、というのがギルディアスの方でも分かり対応が早く一ヵ月で要員が揃って新たな部隊編成が組まれムラサメ少将旗下の部隊にAFとMAFが組み込まれたのであった。
他にもこの一ヵ月でだいぶ変わった部分が増えたが、皆がそれに順応してゆき特に問題なく部隊内部外部問わずうまくいっているように見えた。
デリバリーで、冷専ものがデリバリーできる用になったり。
黒騎士機材の当てがついたりと様々な、副次効果を生んだのである。
それに魔法講義の方も、かなり順調であったのである。
部隊の皆が魔法を使えるようになる日も近い、と思わせるだけの出来ではあったのだ。
以上の様な事がありグランシスディアに駐屯するギルド支部隊としては最大最強のものとなったが、何かまだ足りないような気はした。
当然だが全ての破砕機材や、全ての使用可能機材は回収され、戦地には、何も残ってなかったことを告げておかねばならない。
破砕機材は種別に分けてリサイクルに、使用可能機材は中身を丁寧に調べて魔法陣のまの字もないことを確認した上で予備資材に回したのである。
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