第十六章 救都の英雄と結婚
第一節:取材ラッシュと頑強な檻と結界
次の日は、朝から取材のラッシュだった。
広報課に任せてはあったが、かなり並んだらしい。
さらにはエアリアル・フォートレスが合計三機ミニ・エアリアル・フォートレスが一機と言う大部隊であったことも拍車をかけたのであった。
MM総機数、七十四機の大集団だったのである。
シティー近傍での、大攻防戦となったため、シティーの外部カメラから一部の映像が撮れていたのである。
五千年前仕様のカメラとはいえ、光学観測用の立派なものである。
映像が、撮れない訳はなかったのだ。
ドームの天頂部分に有るため、ドームの丸みが邪魔になり、近場はそんなに撮れておらず。
遠景で、エアリアル・フォートレス二機が破壊され擱座し、もう一機のエアリアル・フォートレスも集中砲火を喰らって擱座する。
そんな映像が撮れたのである。
北側での攻防戦も森が邪魔をして完全には見えなかったが、ミニ・エアリアル・フォートレスが擱座し煙を吐き出すところまでは撮れたのである。
流石にギルド支部隊の、最新鋭機AGCやATCには迷彩が掛けられており、光学観測用のカメラでは見えなかったわけだ。
ただし、シュレイディア・ガーディアンズとシルヴェント初号機と蒼穹は丁度良い位置に居たので、暗黒騎士戦と虹騎士団戦がカメラのフレームには入っていたわけではある。がしかし、MM同士の超光速戦闘であったため、カメラ側の能力では追い切れておらず、画面が瞬間的に動いて途切れた時には、すでに相手が倒れ伏している。
そういう状況しか、撮れなかったのではある。
MM戦闘とはそういうものなのだ、実際に見ようとすると、ナイツと同レベルの超光速度でコマドリできるカメラが必要になるのである。
あくまでも星空を観測するために、備え付けられたカメラには無理があったわけではある。
現在の仕様のカメラでもそこまで超光速度で動かせるカメラは無いといえた。
MMのセンサーを除きではあるが。
MM一機の価格から考えればそんなモノを揃えようとすると、普通のTV局では潰れてしまうのが普通だったわけである。
よって『グランシスディア・ゼロ狙わる、ギルド支部隊が撃退!』という内容の、TV局の流すニュースや、ニュースネット各紙や、新聞社の出す号外、の基になったのである。
グランシスディア・ゼロには例の事件でグランシスディアラインことグランシスディアの正騎士団が二九〇四〇年〇三月二五日に起こした事件以降、正騎士団が展開できなくなっているためそれがさらなる拍車をかけたのである。
最も相手騎士団が、暗黒騎士団と虹騎士団の混成部隊七十四機であったため正騎士団たかが六機が居たところでどうなっていたか分かったものではなかった。
以前のままだったら、その前の戦闘でグランシスディア・ゼロは無くなっていただろうという評論家の話も出るくらいであった。
だからより必然的に『救都の英雄』となっている支部隊の活躍に、目が行ったのではあろう。
すでに新聞にもニュースにもネットのニュースでさえも、救都の英雄の話が州知事からの談話として載っているくらいだったのである。
準騎士団の活躍も載ってはいたものの二面記事であり、一面をさらったのはギルドの支部隊だったわけではある。
準騎士団にも活躍の場があったことから、準騎士団の人気もある程度はあったのではある。
都市防衛これは数が居る準騎士団にしかできない、お仕事だったわけではある。
密に組んでの並列サーチ等は準騎士団だからできた、といっているのであった。
支部隊隊長も相手の手の内である暗黒回廊の話はしてはいなかった。
それを、話すとそれを察知できるやつがいる。と内情を自白するようなものであったので当然しなかったのであり戦略上重要なことであったのである。
「今回は幽霊騎士団は出て来ていない、注意するにはそこだ」というくらいであった。
「暗黒騎士の一部と、虹騎士団の旧型の残りが出て来ただけに留まっている」ともいっている。
「準騎士団に都市防衛を任せられたから、我々が打って出ることができたのだ」という、話し方をしているため。
準騎士団の株が、上がっていたのであった。
事実敵奇襲部隊の一部は都市ゲリラ戦を目論んでいたようだが、準騎士団の猛警戒によりその企みが成功はしなかったのであるからして事実でもあったのだ。
「以前の侵攻を再度繰りかえし行ったのかもしれないのですが、何か分かった事はありますか?」と言う質問も飛んだが。
「まだ詳細な、情報が分からないからはっきりした事は言えない」と支部隊隊長としてはいっておいた。
「捕虜は少ししか取れなかった、情報は今聞き出しているところだ、中々答えてくれないがね」というに留めた。
そこまでで、時間が来たため会見を終了させた。
まだ未解析未解明のモノがそこそこ見つかっており、それの解析は解析班だけでなくすぐに何かが起こっても良い様に神官と高位の対魔戦士魔導戦士や守護騎士の一部も動員しているのである。
被害が出そうなら破壊しても良いという通達は出してあるが。
一抹の、不安があるのだ。
今回の捕虜は術者十数名と悪魔契約騎士一名とゲリラ戦要員十数名でありそれ以外が、ほぼすべて悪魔であった事が分かっているのである。
悪魔は全て退治の上、大量に聖塩を撒いて浄化させてある。
捕虜収容所にもミクロチップを一檻三十個と大量に設置してあるほか、聖塩で作られた檻を特種鋼板の檻の外側に使用してある厳戒態勢振りであった。
術士からは指輪からピアスから術具と思われるモノは全て取り外し、金属探知機にかけ、魔法感知器にも掛けた上で何度も掛け丸裸にして入れてあるようなものではあるがそれでも魔法印がある物は聖塩で消込をかけて全く魔法を使えない特殊な檻に収監してあるのだ。
ゲリラ側は爆発物探知機にかけ金属探知機にかけ魔法感知器にかけ全てを取り外させたうえで、専用の対爆独房に一人づつ収監してあるのである。
悪魔契約騎士はさらに厳重に探知機を六種潜らせ何も持っていない又は何も持てないようにして専用の悪魔独房へ鎖で固定して入れたくらいであったのである。
警備も実践経験組を重視して施されている。
そんな仕様だったのだ。
さらにすべての檻、建物にはアンチマジックシェルの永続版がかかっているのである。
ついでに私自ら究極唱を唱えてあるので、絶対と言っていい程魔法は使用できないのである。
魔導能力も同じであることを書き記しておく。
悪魔能力についても同様、発動すらできないのが究極唱なのである。
聖塩で悪魔の機体が、溶けていったことも確認できていた。
それに悪魔のシンボル的存在、悪魔宝石なる珍しいものもエアリアル・フォートレスとミニ・エアリアル・フォートレスの中から発見された。
小型のモノでも、高さ二メートルあるため、対魔法陣の中にしっかりと入れ、封印をかけて持ってきているのであった。
大型のモノは高さが三メートル直径一メートルとコレも大きいため対魔方陣の中型のモノに、鉛の鎖で絡めた
悪魔宝石は三重の封印を、施され倉庫に厳重保管となった。
大型三個と、小型一個と数があるためである。
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