第四節:幽霊の動向とゲート強化とリサイクルプラント

「明日から魔法講義が始まるから、各部隊は空き時間に講義を受けに来るようにいって置かなくてはいけないか、いやメールにしよう」といって食べながらでは有ったが支部隊専用のメールに直接、各ナイツとパートナーはそれぞれ同一で各作業終了後に講義を受講するように、明日が一番から三番隊だが特別に一番隊編成の時に特別受講者二名と七番隊隊長も加わることもメールで告げると。


「明日からは忙しくなるからな。ちゃんと休息は取れる時に取って置けよ」と私がいった。


「クララ、幽霊の動向だがどこまで把握できそうだ?」と私がクララ嬢に聞く。


「何分今までリザードナイツしか送り込んで来なかった相手ですからねぇ、対応に苦慮しているところですが、近いうちに大規模攻勢をかけるのはありそうな雰囲気ですよ?」とクララ嬢がいった。


「そんなに厄介な相手なのですかアスカ閣下、幽霊のリザード・ナイツは?」とヒジリが聞いた。


「厄介というよりは、ややこしくしてくれるという意味で厄介だな。各ゲートが攻勢防壁のレーザー使用に変わったので、レーザーがグリーンにならずにレッドのまま侵入しようと試みるとスッパリ斬れる様になったから最近は入って来なくなったが。まあそのおかげで、レーザー攻勢防壁前後に二メートルの範囲に重量探知機を置くことが可能に成った訳で一概に悪いことばかりでは無いんだが。必ずといっていいほど光学迷彩を被って来ては悪さをするからな」という。


「だからレーザー攻勢防壁の網目は見たかもしれないが三センチメートル×三センチメートルの二重レーザー式攻勢防壁を使用しているんだ。潜り抜けようにも抜けられない筈だからな一点五センチメートル×一点五センチメートル以下に成れる変態が居たらできるかも知れんが普通のリザード・ナイツには無理だ。それに重量感知エリアで一旦停車した車両が走り出してその攻勢防壁前後二メートルに張られたエリアで重量変化して居たら即刻ゲートが閉まる方式になってるからな」ともいった。


「ゲートが三重になってゲートチェックそのものが厳しくなった分の効果は出ていると思うよ。三重の攻勢防壁を抜けられる奴はそんなに居ないからな。まあウチのゲートが厳重になるのにはいいんだが。その分対外的には危険度の表記を十分行って居るから間違いは今のところ無いが」と一気に話す。


「だから警備詰め所が前後に五メートルも長くなっていたんですね」とノインがいった。


「そうか、ノインは結構外に出たり入ったりしていたものな。で目に見える効果と実証性はどんな感覚だった?」と私がノインに聞いた。


「随分凶悪で厳重になったな、とは思いましたがここ数週間で幽霊が入ってこなかったのはそれのおかげだったんですか」とノインがいった。


「対人対物用に減速魔法が掛かっているからなあのゲートの前後の重量物感知エリアには、それで余計に長く感じることは無かったか?」と私が全員に聞いた。


「それで入って来た時に違和感があったんですね」とアスカ嬢がいった。


「加減速を失敗しなければ、レーザーゲートに接触することが無い様に厚み一センチメートルのシールドを置いてある、仮に加減速に失敗してもシールドで止まるから物理的な影響は無いハズなんだが?」と私がいった。


 そしてさらに続けた「そこを強行突破しようとするとレーザーでスッパリ斬れるしかも対レーザー防御の効かない範囲の出力で照射してあるから間違いなく肉の塊になるんだが。一応従来品で試してあるので効果のほどはかなり詳細に出ているが」と私がいった。


「基地の厳戒態勢ぶりが手に取るように分かりました、それだけ幽霊に見られたくないものが沢山おありなんですね」とサヨリ嬢がいった。


「確かに、今見られて向こうが戦力増強されてもな結構困るんだ。だから手の内はなるべく、見せないように心がけている。そのために取れる手段は取ろうと思っているしな。全ての手段を講じても見られてしまっているのだとしたら、その時は中身で勝負するしか無い訳だが。そのための魔法講座だ、パートナーも一緒に受けられるようにしてあるから、ナイツだけでなくパートナーと一緒に自習ができるような体制を取っているんだ。だからよろしく頼むぞ」と私がいって最後の一切れとライトコークをのんで食事が終了した。


「そういえばアスカ閣下、部屋に設置のダストシュートってどこにつながってるんですか?」とヒジリが聞いた。


 それに私が答えた「魔導式分別が掛かってまだ未開封のモノと開封済みで破棄されたモノの区別をした上でさらにモノによって処理は異なるが再生紙になったり、再生金属インゴットになったり、再生プラスチックインゴットになったりと様々な処理が施され生ごみは肥料になったりするぞ?」


「非分解性のモノが少ないからできる荒業だけどな。結構デカい自動プラントがあってなそれによって再生されるわけだ。だから捨てても気にならないのはそのせいだ。この世界というかドーム型都市は基本的にリサイクル観念がしっかりとしているからな。ある意味無駄がない。こういう所は見習ってもいいと思ったので、ウチの基地内でも同じような処理を行っているんだ。まぁ都市の分別よりも細かい自信はあるがな」といったのである。


 事実リサイクル回りはかなり完璧に仕上がっており、効率よく貴金属や重金属までに分類され次に何か創る際に直ぐに使用できる様に倉庫管理されているのである。

 又、工業プラントも持っており独自設計の何かを創る際にも運用されておりかなり役に立っていたのであった、無いものは創り出すという方式が取れたのである。


 とはいっても限界はあるのだが、銘付の太刀は創れないのである。


「さて夕食の時間が終わってしまいそうだが?今のうちに他に何か聞きたいことはあるか?」と私がヒジリに向かって聞いてみた。


「雑談でもいいが」と私がいうと、ノインがいった「完全制御で打ち方までコントロールするなら銘付の太刀を再現できるようには成りましたよ。サライのメカニック第三班が成し遂げました」と。


「凄いな銘刀ができるのかと私がいった、流石剣匠いや刀匠か」と私がいうと。


「ここのメカニック班は、腕利きぞろいだからできるんだが中々にすごいぞ。構成もすごいしな、デザイナー一名を筆頭にメインメカマン一名サブメカマン四名、さらには主計官も一名付く、そんなチームがこの南側だけで八チームもあるからな。西側はデザイナーは三チーム三名だ、主計官も三名残りはメインメカニック九名と四十五名のサブメカニックから成る大所帯だ、そういえばクララ東側はどーなってるんだ?」と私が聞く。


 クララ嬢が答えた「整備回りは大隊規模が三組みデザイナー八名うちシップデザイナーが四名で各艦を担当します整備大隊は戦闘車両整備から艦船・船舶の整備までできる凄腕ぞろいですね、同時に修理可能な艦船は三隻に限られますが北側の一番広い壁兵舎に皆寝泊まりしています。デザイナーが一階、各戦隊指揮官が二階各小隊長の小部屋が三階にあります」といった。


「結構な大所帯だが、それに伴う宿舎の拡張や士官部屋の拡張が入っている筈だから従来の狭い暗い所からは大分改善している筈だが」と私がいった。



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