第二節:極秘依頼確定と状態確認

 換わると、ディシマイカル侯爵がいった「分かりました内密に受けさせていただきます、見届け人はこちらで指定させていただいてもよろしいのでしょうか?」というので、私が答えた「重要な話であれば幾らでも受けます。何なりと申してください」と。


 するとディシマイカル侯爵がいった「EvNRを主人に持つナイツが最低二名、勿論そのパートナーが重要なのです。EvNRは独自の領域干渉によるEvNR同士で記憶バイパスと呼ばれるものを構築しますその中心に黒騎士様がおられればより強い領域干渉におかれることになり、記憶の発現が魔導的措置によりカバーリングされる傾向にあります。三人以上いればさらに確率は上っていきます。ですのでうちのワルキューレとクララ嬢が居て下さればエリー嬢との間に独自の強制干渉領域を構築することができます、直ぐにでもお伺いしたいところですが明日のほうが良さそうな時間ですね」と侯爵は答えた。


「他に略式認め人を調印するのであれば、爵位持ちのナイツお三方にさらに合流していただく必要があります。といっても内密のお話ですのでお二方でも十分ではあるのですが最低ラインで申しますとナイツは五人が望ましいかと思われます。騎士位をお持ちの方でも大丈夫ですのでその時には改めて招待状を出させていただきます。貴重な体験になりますので誠心誠意させていただくことにします。お電話有り難う御座いました。またとない経験になるでしょう」といわれ電話が切れた。


「支部通信では無く直接電話でクララに掛けた、ハイ。何かありましたか総長?」とクララ嬢が聞いた、「明日朝一番で構わないのでディシマイカル・F・グリッド侯爵が基地を訪問されることに相成った。よって極秘裏ではあるがカッパーの入場申請をしていつでも入れるようにして欲しい。可能か?」と私が一気に喋る。


「何か企み事ですか?」とクララ嬢、「まあその様なものだが、クララにも協力してもらうことに成る。巧く行けば三年か二年か後くらいだが」というと、「また長期スパンの企み事ですね。総長がお受けしたならば構いません付いて行くだけですから。では今日中に各入場ゲートに通達しておきます」とクララ嬢がいって電話を切った。


「ということですが如何ですか?」と私がいうと。


「コイツヒトとの巡りあい運も高いのか、そういうう意味では俺も勝てそうにねぇな。付いてる人生だが、その分修羅場の連続っていう意味が少しわかったような気がするぜ」と師匠がいった。


 そしてこう続ける「アスカは自分で色々背負い込むがちゃんと利益に還元できているんだななんて羨ましい奴だ。明日はFPTのほうにも行って探さないとな一人では寂しいんだよ分かるか? ヒジリ。まぁ伝手がもの凄い奴だと思ってはいたがまさかここまでできる奴だったとは思わなかった」と一気に喋る。


「とまぁここで聞いたことはすべて緘口令を出しますからね」といってガラリとアスカ嬢の後ろの扉を開けた、するとデザイナーキザキが転がり出て来た。


「立ち聞きはいけませんな。デザイナーキザキ」と私がいうと「ここで聞いたことはすべて極秘裏にさせていただく所存ですので」といって私に敬礼を返したのであった。


「それでお願いしますよ」と私が念を入れて突っ込んだ、「で何か用事があったのでは?」と私がいうと。


「ハッ!お見舞いの時間が過ぎておられますのでここまで伺ったっ所存、肉の件は大目に見ますので、ユックリと食べていただければ」といいながら「いつも味気ないものばかりで申し訳ない。必要ならその肉は取り寄せても構いませんので」とキザキが認めたのである。


「これは僥倖だな」と師匠がいって、「本日の面会時間はここまでとさせてもらっていいですか?」とキザキがいったので今日の面会時間は十八時過ぎの十八時十五分までとなった。


 私がデザイナーキザキにいった「明日はディシマイカル・F・グリッド侯爵がカッパーだが来られるので失礼の無い様にしてくれ、頼んだ、時間に余裕があれば俺も付き合いたいんだが講義が六時間ほどあってな朝方少ししか余裕がないんだ」といっておいた、再敬礼で「分りました、総長はアスカ嬢と魔法講義で忙しいと申しておきますので、それでよろしいでしょうか」といったので「それで宜しく頼む」といった。


 病院を後にすると、クララ嬢が電話でゲートの指揮系統に通達しているところであった。


 後席へどうぞとアスカ嬢が先にヒジリとサヨリ嬢を乗せる総長もどうぞといって乗せると、「すまんな」といって乗る。最後にアスカ秘書官が乗った。


「明日ディシマイカル・F・グリッド侯爵がいつ来ても各ゲートで対応可能です」とクララ嬢はいった。


「では仮の宿へ回すか、宿の案内はアスカ秘書官長頼んでいいか」と私がいうと「任されました」と静かな返答では有った。


「何か不味いことでも俺がいったのか?」と聞くと「アルケミー・デザイナーとしてはですが、総長の意図は分りますので、何もいえませんでした。私もパートナーを戦場で失うことと思うと同じ行動に出るかも知れませんしヒトのことはいえません」とアスカ嬢がいった。


 極秘裏に進めるともあったのでこの話はそこで終いになった。



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