第十三章 極秘依頼と黒騎士機体復元期間と恋愛感情

第一節:機体復元にかかる時間とEvNR再生

 そこに「師匠の傷が治っても、ここに居られるように今全力で客室棟を整備中であります、又でき上がり次第ご報告に上がります」といった。


「そういやぁアスカ、俺のオーロラビジョンっていうのの期限はいつからいつまでなんだ?、そこいらがよく解らねぇ!」と師匠からいわれたので「剣指南役としての期間は一応三年で組ませてもらっていますが期間の延長は自在です、見込みのありそうな奴には厳しくで構いませんので師匠の基本技を伝授してやってくれませんか? 後オーロラビジョンの年会費は私から支払いますので師匠には負担がございません」


「それにフレームがもう少しで治るといってもパーツや装甲はオリジナルが無いため復元にはかなりの時間を要することが分かって居ります。実質四年は見ていただく必要が出てきます。特殊なパーツ群が多いので他機のパーツで代用する訳にはいかないのです」と答えた。


「意外と掛かるんだな?」と師匠が浮かない顔をした流石に愛機の心配は人一倍らしい。


「そこまでかかるならもう少し居ても良いが」と師匠がいった。


「また三年先には発表儀礼がグランディア・エイトで開かれますので、それに出席しパートナーを探すのも一つの手かと思われますが?」と私が軽く聞いた。



「ハイチューン、ハイバランスの黒騎士では、BC種は銘クラスでないと厳しいでしょう、それならばいっそのこと、パートナーをめとられてはいかがですか?何か娶られない事情というのもあるかとは思いますが、パートナーがいてこその騎士だと私に仰られたことは誠では無かったのですか?」と私が少々厳しめにいった、師匠を思ってのことではあるのだ。


「コイツいいやがる、相手が俺でも容赦がねえな、エリーの代わりになる奴はそうそう居ねえ、アイツはEvNRだったからな、だから複雑な黒騎士の制御ができたんだ」と師匠が少し秘密を告白する。


「EvNRで無ければイケナイというのであれば、伝手つてがございます、エリーさんと全く同じという訳には参りませんが、まだエリーさんのDNA情報を師匠がお持ちなら可能性は無い訳ではありません」と私も少し秘密を漏らした。


「なんだと、エリーが生き返るとでもいうのか?」とかなり驚いた様子の師匠が居た。「それなら黒騎士にデーターとDNA情報をバックアップさせておいたのが役に立つんだが、本当にエリーが蘇るのか?」と師匠はいった。


 それに答える形で私が答えた「ディシマイカル・F・グリッド侯爵という方をご存じですか? ウチのアスカ嬢のパートナー、ワルキューレ嬢を創り上げた方なのですが、基本的にその方はEvNRしか作らないことで有名です、個人的な依頼になりますが、私から頼んでもいいかなと思っておりまして。百パーセント、エリーさんが復活するかどうかはお手持ちのデータや考え方や思考パターンなどの記録があれば行けると思いますが、NR特にEvNR種はかなり高い存命の能力を持っていると聞いております。ですので。手がかりさえあればエリーさんが復活するのではないかと思っている次第なのですが如何でしょうか? 私からの口利きならば答えてもらえると思いますが」というと。


「いつの間にか凄い伝手をたくさん持ちやがって、羨ましいぜ全くコイツは、エリーに関しての情報はFPTにかなりの残してある、アイツの使っていた『データパッド』もそのままの筈だ。俺も、姿形だけでもエリーが居てくれるなら頑張れるかもしれん可能性はあると思ってずっと処分できないでいたからな」と師匠がいった。


「記憶構成の素子がどれくらいDNAに残されているかに寄るとは思いますが。再生そのものは可能かと存じます。ゼロから創り上げないで済む分早く上がるとは思います。頼んで見ましょうか?」と私が答える。


「師匠が往年の復活を遂げるられるなら、嬉しいことはこれ以上ありませんから」と私が続けた。


「善は急げと勘がささやくのです、善かどうかは私にはわかりませんが勘がさえずるといいますか何かの予感がするのです」今から掛けて見ましょうと私がいった。


「頼む、アイツをもう一度拝めるなら、なんでもしよう」と師匠がいった。


 そしてディシマイカル・F・グリッド侯爵にコールする「ハイ。ディシマイカル・F・グリッド侯爵ですが、アスカ様いかがなされましたでしょうか?」、「一つとても重要で周りに話せ無い依頼があるのですが、貴方にしか頼めない依頼なのです」と私が深刻そうにいう。


「それはどのようなご依頼でしょうか、救都市の英雄であらせられ私の研究室も守っていただけた方のご依頼には答えないわけにはまいりません」と答えてくれた。


「実は縁がありまして、今私の基地の病院に入院している方が居られるのです。その方のEvNR嬢を再生していただきたい、必要な情報にはすべて答えられそうな方なのですが、ご無理を承知で受けていただけないでしょうか、御自身で創られていないEvNRの再生などという、人にはいえない頼みごとで誠に申し訳ないのですが」と概要を伝える。


「何方様の何という方を再生させればよいのでしょうか? EvNRはご存じの通り作成者のエゴが詰まっております。かなり薄い確率ですが、記憶もDNA構造に含まれているかもしれません、それに再生であれば掛る時間は短縮できます。新造と異なり十五年は掛からないのが再生でございます。早ければ四年、特殊構造体をお持ちでしたら、三年で復活したという極秘に相当する例ですが無い訳ではありません。DNA情報と思いの詰まった『データパッド』位の資料があれば、再生は可能だと思います。思い出せるかどうかはインパクトが必要になりますが」と一気に話してくれた。


「その方の名前は、黒騎士ミハエル・K・カニンガム卿、再生させるEvNRはエリー・ミューランス嬢に御座います」、「なんと! あの有名な黒騎士様のパートナーを蘇らせようとしているのですか。その計画に私も一枚かませてもらえるのでしたら技術的な協力は出し惜しみません。全力でことに当たらせていただきます。私のほうから基地に行けるように手配してもらってもよろしいでしょうか、まずはその人となりからお聞きしたいのですが、もし可能でしたら今電話に変わってもらってもよろしいですか」といわれたのである。


「師匠、デザイナーのディシマイカル・F・グリッド侯爵から換わって欲しいといわれましたので、電話を換わります」と私がいって電話を渡す。


「ディシマイカル・F・グリッド侯爵様、ウチのエリーが再生するなら、いや蘇るなら一度でもあの姿が見れるなら。俺は何をしてもいい、たとえ悪魔に魂を売る行ためだといわれても構わない。そのそしりを受けるだけの行為をしているという自覚はある。可能なのですか、記憶はインパクトを与えるしかないですか。でもそれで蘇ってもらえるなら俺は悪魔にも、いや失敬、魂のサインを書く準備はできております」


「どうかもう一度エリーに合わせてください、俺を忘れているなら新たな主を探せばいい、でももしその奇跡が起きる可能性があるなら私はもう一度エリーと会いたい。私にできることならなんでもしましょう。分かりましたアスカ公爵に変わります」と師匠が珍しく涙を流して語ったのである。



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